J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

No.19 「のだめカンタービレ」が「だめ」な理由

バード 「・・・・『のだめカンタービレ フィナーレ』のフィナーレのテレビ放送のが終わっちまいましたのね」

編集 「・・・・・・・・『の』が多すぎ」

バード 「だめカンタービレ?」

編集 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バード 「『だめ』はコミックで超ヒットしていたのは知っていたけど、実は、アニメ観たのはテレビじゃなくて、第一期DVDが全巻発売されてからなんですよ。『だめ』は萌えでもない、ロボットでもない、ホラーっぽくない、そんな音楽恋愛アニメでしょ。なかなか手にするのに戸惑った・・・」

編集 「なんで『だめ』なんだよ」

バード 「いやぁ、ちゅうか、『のだめ』って言ってしまうと、なんか、恋人の名前を呼んでいるみたいで、・・・・・照れちゃうじゃないですか・・・」

編集 「・・・そ、そうか(そうか???)」

編集 「今年の正月、BSフジがアニメ『のだめ』の第1期と第2期の全34話を、17時間ぶっ通しで放送したのには驚きました」

バード 「なんか、安売りされたような、気がした。1話、1話、大切に観て欲しいアニメですよね」

編集 「・・・私は続きが気になって、1期なんて一気に観ましたけど・・・」

バード 「(しゃれ?)」

バード 「アニメと平行してやってたのが実写のテレビドラマ。あっちも大ヒットしたけど、アニメ観た後じゃ、おっかしくて、観る気にならなかったですよ。あぁ。おっかし、実写ドラマ。ププププッ・・・観たけど・・・・」

「竹中直人を出せばいい」というわけではない

編集 「マンガや、アニメを、実写化することが多いけど、ファンからの評価が厳しかったりします」

バード 「『だめ』のドラマでは、人気俳優がたくさん出ているけど、オーケストラのシーンでは、演奏していないでしょ。で、なんで、日本の人気俳優さんが、ヨーロッパ人になって出てくるわけ?何でも竹中直人を出せばいい、ってわけではありません」

編集 「おお!厳しい!!!」

バード 「・・・・・とはいうものの、アニメの2期に関していうと・・・・・実写ドラマのほうが面白かった。アニメは全体的に落ち着いた感じで、ワクワク感が少なかった。これは原作のマンガに忠実にアニメ化していて、原作自体も色々言われ、論議が起きた時期だったんです。NHKの『BSマンガ夜話』でも話題になっていた」

編集 「へー!?」

バード 「実写がおもしろかったのは、1期のドタバタ、ハチャメチャが引き継がれ、ギャグを満載にした、ということなんだと思う。アニメと実写の2期を、単純に比較すると、実写の方が、原作やアニメより、『だめ』っぽかった、という結果に見えました。でも、アニメの3期は、1期ほどではないにしても、かなり盛り返していて、輝きを取り戻していました」

編集 「・・・実写版の、映画、まだ上映しているのかな」

バード 「そっちかい!!!!!!」


「のだめカンタービレ」(第1期)
2007年1月からフジテレビ系などで放送。全23話。
「のだめカンタービレ 巴里編」(第2期)
2008年10月からフジテレビ系などで放送。全11話。
「のだめカンタービレ フィナーレ(完結編)」(第3期)
2010年1月からフジテレビ系などで放送。全11話。

   「のだめ」とは主人公・野田恵(のだめぐみ)の愛称。「カンタービレ(Cantabile)」とは音楽用語で「歌うように」。

   オーケストラを中心とした音楽アニメで、もう一人の主人公・千秋真一と『だめ』の音大学生時代から、パリ留学、そして世界へと羽ばたくストーリーが描かれた、ギャグ有り「ヘンタイ」あり、本格的クラシックコンサートありの、壮大な音楽恋愛ドラマ。

   幼い頃に海外でバイオリン、ピアノなどを学んだ真一。その才能は高く世界で通用するほどなのだが、子供の時代に乗った飛行機が事故(胴体着陸)にあったことから飛行機恐怖症となり、船酔いも酷く、海外に出られない。日本の音大に進み、日本国内で才能を腐らせる人間だとして自暴自棄な生活を送っていた。

   「だめ」は同じ大学のピアノ課の後輩。同じマンションの隣に住み、自室前で酔っぱらって倒れていた真一を、「だめ」は自分の部屋に引きずり混む。真一は大学で容姿、才能ともに憧れの存在、有名人。「だめ」は猛然と真一にアタック。真一の汚れたシャツの臭いをかいで安心したりしている。

   そんな「だめ」は、特異なピアノの才能の持ち主。真一は『だめ』の才能に惚れ込み、あれこれちょっかいを出すようになる。真一は「だめ」に影響されたこともあり、世界的な指揮者になる夢を取り戻す。さらに、「だめ」は真一の飛行機恐怖症まで治してしまう。そして二人はパリへ・・・。

   「だめ」は、制作スタッフが原作を、本当に愛しているんだな~、という感じが伝わってくる作品。非常に丁寧に作られていて、オーケストラのシーンも、例えばコントラバスの揺れにしても完璧だ。なんといっても、外人が多数出てくるのだが、彼らの日本語も完璧だ!。個人的に一番良いシーンは、真一が「だめ」の九州の実家を訪ね、「だめ」の家族と団らんするもの。また、第3期では、世界最高の指揮者シュトレーゼマンが「だめ」を、自分の指揮するオーケストラにゲスト出演させる。「だめ」が世界の大舞台に立つのは初めてだ。その時に舞台に登場したの「だめ」の顔といったら、ププププッ、真一が「だめ」を愛したのは、こんな「だめ」なんだろうなぁ、と感じてしまいました。<モノウォッチ

ジョセフ・バード・ランカスタープロフィール

    英国ケンブリッジ出身。祖母が日本人のクォーター。青森にいる祖母からTVアニメビデオを実家に送り付けられ日本のアニメにはまる。15歳でアニメ好きが高じ単身日本へ。現在、青森の祖母と同居。人生を変えたアニメは「太陽の王子 ホルスの大冒険」「もえたん」。好きな食べ物はりんご、マグロ、鯨ベーコン。座右の銘は「イェ~イ!私だよんっ♪」(by「けいおん!」田井中律)。