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もったいないぞ軍艦島 コスプレ撮影「絶景」なのに…

前回コラムより続く)軍艦島の本当の名前は、端島(はしま)という。長崎市(旧高島町)にある旧炭鉱の島は、海の下に眠る石炭を掘り出す海底炭鉱が中心で、当時、その激しい労働は言語を絶したそうだ。最盛期には5300人近い人口が居住し、小さな島に密集しながら生きていた。しかし1960年以降は、主要エネルギーが石炭から石油への移行により衰退。1974年に閉山、無人島となった。

コスプレイヤー憧れの的に

背景も大切
背景も大切

   今、ここがコスプレイヤーの憧れの的になっている。㈱音羽出版 『コスBON』Fantasyでは、この冬からツアーを組んで軍艦島への上陸撮影を企画、その下準備のために軍艦島を訪れた。長崎港から20分すると、確かに軍艦のような島が目に入る。

   そもそも軍艦島に、観光客も上陸できるようになったのは今から3年前の春だった。地元の船会社が長崎市に働きかけて、船をつける上陸のコンクリートの桟橋を作り、初めて観光の上陸が可能になった。

観光可能な場所が限定

軍艦のようだ
軍艦のようだ

   しかし、観光客が歩くことが出来る場所は限定されている。島の桟橋側の一部が歩いて見学できるようになっているが、廃墟の場所にはほとんど入ることが出来ない。しかも仕切りの白い鉄柱が囲っているため、撮影するとこれが入ってしまう。

   確かに安全確保は大切だ。しかし軍艦島のごく一部しか触れることができない観光客からは失望の声も大きい。世界遺産を目指すとすれば、より解放すべきだろう。これではコスプレイヤーからの不満の声が大きくなりそうだ。

肥留間正明

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【プロフィル】肥留間正明(ひるま・まさあき) 埼玉県生まれ、日本大学法学部卒業。作家、芸能評論家、ジャーナリスト、㈱音羽出版社経営。女性自身(光文社)記者として記者生活のスターと、週刊宝石(光文社)、 FLASH(光文社)創刊を担当、“巨乳”という造語を作る。エンターテイメント、歴史ドキュメントを中心に執筆、出版活動を本格的に開始。〈テレビ出演〉『やじうまワイド』(テレビ朝日)、『アッコにおまかせ』(TBS)、『ワイドスクランブル』(テレビ朝日)ほか。〈著作物〉『勝新 役者バカ一代』(音羽出版)、『がん闘ったスターたち』(テレビ朝日)、『ウオンビン 江原道から』(鹿砦社)、『チャン・ドンゴン~ソウルの空から』(音羽出版) 『オレンジレンジ~コザからのメッセージ』(音羽出版)、『龍馬と海』(上・脱藩編)/『龍馬と海』(下・亀山社中編)その他多数