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猛暑でもツルっとイケる半田そうめん 江戸時代から「天日干し」にこだわる

   夏に食べる風物詩的な麺類といえば、何と言ってもそうめんが筆頭格である。糸のように細い(太さが直径1.3ミリ未満)そうめんはゆで時間が短く、ツルツルスルスルと食べられる半面、少々さびしく心許なく思うときがある。小麦系乾麺で、ゆで時間の短さと食べでのバランスが取れていることにかけては、ひやむぎ(1.3ミリ~1.7ミリ未満)から細いうどん(1.7ミリ以上)あたりがよいようである。

ひやむぎ規格に相当するほどの太さ

180年間ずっと同じ製法が守られてきた
180年間ずっと同じ製法が守られてきた

   その種の美味なご当地麺には秋田の稲庭うどんがあるが、「太いそうめん」として知る人ぞ知る存在の「半田そうめん」もまた魅力的である。

   徳島つるぎ町半田地区名産の半田そうめんは、じつは現在のひやむぎ規格に相当するほどの太さを持つ。ただし、こねた小麦を引き延ばし、乾燥させる工程を手作業で行う「手延べ麺」で1.7ミリ未満のものは、手延べそうめん、あるいは手延べひやむぎの好きなほうを名乗ってよい決まりになっているそうだ。したがって、「手延べ」を行う半田そうめんは紛うことなき「手延べそうめん」なのである。

   半田そうめんは、いくつかの製造者のものをネットなどで取り寄せることができるが、今回は「元祖」「天日干し」という点を尊重して、赤川製麺から「はんだ手延素麺」を取り寄せてみた。赤川家が半田地区でそうめん作りをはじめたのは天保4年(1833年)という。以来、「約180年ずっと同じ作り方」を守り続け、半田に数十ある製麺業者のなかでも、現在は数えるほどの業者しか行っていないという「天日干し」にもこだわっている。

ツヤツヤ麺のコシは上々

   徳島県の最高峰、標高2000メートルの剣山から吹く真冬のかんざらし(寒風)で鍛えられて、赤川製麺のそうめんはコシが強くなるという。その切り口を見てみると、四角かったり、丸みを帯びていたり、これが人間の顔の輪郭のようで、1本、1本に個性がある。

   ゆで時間は4~5分といったところ。麺はツヤツヤとした輝きを見せ、コシは上々。うまい小麦麺に共通するしっかりとした後口もある。

   ちょっとおもしろいのは、太いはずの半田そうめんに「細口」があることだ。普通のはんだ手延素麺は、1キロ(10束)入り1箱が1200円だが、「細口」は1300円で、100円高い。両方を見くらべてみると、細口のほうがやや細いのかという程度で、箱に記載されているゆで時間も4~5分で同じ。だが、細口のほうがゆで時間が若干短めのようである。輝き、歯ごたえ、コシには遜色がないことを考えると、「細口」はこだわりのそうめんのなかでさらに厳選された絶品と言えるのかもしれない。


   商品名:はんだ手延素麺

   販売:赤川製麺

   サイズ:1キロ(10束)

   価格:1200円