2019年 11月 20日 (水)

一青窈、「歌祭文」に込めた思い
15年の自身の変化を記録したような

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   タケ×モリの「誰も知らないJ-POP」

   アルバムのタイトルを見た時に、何かの当て字なのかと思った。そういう言葉があるとは知らなかったのだ。

   先日、11日に発売になった一青窈の初のオールタイムベストアルバムには、こんなタイトルがついていた。

   「歌祭文」――。

   「うたざいもん」と読む。

「歌舞伎の演目にもあるんですけど、前から使いたかった言葉なんです。元々は山伏の神事に使われていた祝詞らしく、それが世事を歌う俗謡になった。歌謡曲、ポップスもそういうことなんじゃないかと思います」

   彼女は、筆者が担当するNACK5のインタビュー番組「J-POP TALKIN'」でそう言った。

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デビュー曲はぴんと来なかった

   一青窈は2002年、シングル「もらい泣き」でデビュー。今年は15周年。「歌祭文」は、DISC1と2に分かれた二枚組。それぞれが15曲の計30曲。「一青歌祭文」「新盤歌祭文」と名付けれている。前者は「もらい泣き」「月天心」「大家」「ハナミズキ」など初期のヒットから2012年の曲までで、後者は新録音が6曲、初CD化曲が4曲。新作アルバムと言って過言ではない。新録音の6曲には、拍子木で始まる時代劇風、シティ感覚あふれるボサノバやアカペラのドゥワップ、三線が入った沖縄風島唄まである。デビュー以来の東洋的なテイストが更に広がった印象がある。

   先行シングルになった「七変化」は特にそうだった。

   作詞は彼女で作曲は活動休止中のいきものがかりの水野良樹である。何しろ三味線が随所にフィーチャーされている。

「あの三味線は、本條秀太郎さんという私の歌の先生なんです。以前、「歌窈曲」というアルバムでひばりさんの「リンゴ追分」を歌って、あのえ~え~というところが歌えなかった。由紀さおりさんに相談したら、先生を紹介してあげるって。端唄を習ってます。デビュー15年。ここに来て、あらためてそういうことが出来ないかと勉強しなおしてます」

   歌舞伎、端唄、三味線。彼女の口からそういう言葉が出るのは意外に思う人もいるのではないだろうか。

   彼女は、自分のデビュー曲「もらい泣き」を、最初はピント来なかった、と言った。

「自分では、『月天心』の方がらしいと思ってたんです。中国語も入っているし、自分のルーツが分かるかなと。事務所の社長の一声でした(笑)」

タケ×モリ プロフィール

タケは田家秀樹(たけ・ひでき)。音楽評論家、ノンフィクション作家。「ステージを観てないアーティストの評論はしない」を原則とし、40年以上、J-POPシーンを取材し続けている。69年、タウン誌のはしり「新宿プレイマップ」(新都心新宿PR委員会)創刊に参画。「セイ!ヤング」(文化放送)などの音楽番組、若者番組の放送作家、若者雑誌編集長を経て現職。著書に「読むJ-POP・1945~2004」(朝日文庫)などアーテイスト関連、音楽史など多数。「FM NACK5」「FM COCOLO」「TOKYO FM」などで音楽番組パーソナリテイ。放送作家としては「イムジン河2001」(NACK5)で民間放送連盟賞最優秀賞受賞、受賞作多数。ホームページは、http://takehideki.jimdo.com
モリは友人で同じくJ-POPに詳しい。

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