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「乳児用液体ミルク」セミナー 日本のママの半数超「使ってみたい」

   江崎グリコがサポートする「乳児用液体ミルク」メディアセミナー(勉強会)事務局は、2018年8月7日、省令改正に向けたセミナー「乳児用液体ミルク解禁によって広がる『子育ての多様性』」(東京都・港区)を開催した。

  • 海外の「乳児用液体ミルク」
    海外の「乳児用液体ミルク」
  • 海外の「乳児用液体ミルク」
  • 順天堂大学・清水俊明教授
  • 一般社団法人「ぷちでガチ!育休MBA」サポーター・水越由利子さん
  • 慶応義塾大学・吉村泰典名誉教授

熊本地震で大いに役立てられる

   セミナーの資料によれば、液体ミルクは1970年代から世界各国で普及してきたが、日本では発売されていなかった。一方で日本では母乳で子育てをする母親が増加している。厚生労働省の「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要」によれば、2005年までは母乳だけの授乳は4割を切っていたが、2015年度には5割を超えた。

   2016年4月に発生した熊本地震の際、フィンランドから液体ミルクが無償提供された。震災で母親がストレスで母乳が出にくくなったり、清潔なお湯が手に入らなかったりする中で液体ミルクは大いに役立てられ、母親たちから期待が寄せられたことで液体ミルク解禁へ弾みをつけたと、資料では説明している。

   江崎グリコが2018年7月、乳児を持つ1000人の父親・母親に実施した「乳児用液体ミルクに関する調査」では、液体ミルクを「ぜひ使用したい」「どちらかというと使用したい」と回答した人は、合わせて51.8%と半数を超えている。

海外では普及、外出時や手が離せない時に

   セミナーには、順天堂大学・清水俊明教授、一般社団法人「ぷちでガチ!育休MBA」サポーター・水越由利子さん、慶応義塾大学・吉村泰典名誉教授が登壇した。水越さんは、海外で液体ミルクを利用する人の、以下のような声を紹介した。

「薬の服用後24時間は母乳をあげられず、普段から慣らす意味でも1日1回は液体ミルクです」(フィンランド、5か月と6歳児の母親)
「値段は粉より少し高いものの、泣いている赤ちゃんを抱っこしたまま準備できて便利」(スウェーデン、2歳男児の父親)
「母乳に加えて、粉か液体ミルクを1日に2回。家では粉ミルク、外出時は液体ミルクにすることが多いです」(フィンランド、3か月男児の両親)

   液体ミルクは常温で半年から1年ほど保存でき、調乳する必要がない。外出の際に授乳室を探す手間がなくなり、ほかの人にも乳児の面倒を頼みやすくなる。衛生面での信頼も高く、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)では、災害時には粉ミルクよりも無菌状態の液体ミルクを推奨している。こうした内容が、セミナーでは説明された。

   なお、本セミナーをサポートした江崎グリコは、質疑応答にて液体ミルクの商品化を検討していると答えた。