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私たちが命をあずける病院や医師の「裏側」 そのリアルに迫る

   最近、東京医科大学の裏口入学や、女子受験生の一律減点疑惑が問題になっている。今回は、大学病院の裏事情や、医学部とそこで学ぶ学生たちの現実、受験システムや医師になるための苦悩など、いまの医療問題・医学部受験を見極める助けとなる3冊をご紹介。

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(http://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。

現役の医師が語る大学病院の闇とホンネ

   心臓外科医が患者を4人連続死なせたが、それを"トレーニング"とうそぶいた「東京医大」、未熟な医師がマニュアルを見ながらの内視鏡手術で死なせた「慈恵医大青戸」、人工心肺の操作ミスで死なせたあとカルテを改ざんした「東京女子医大」...。

   なぜ医療の最高峰ともいうべき大学病院は事故を繰り返し、患者の期待に応えられないのか。その驚くべき実態と医師たちの本音に迫り、医者と患者の間に立ちはだかる本質的な壁を浮き彫りにする。

   「"大学病院だから安心"ではない」、「大学病院は人体実験をするところか」「産科医、小児科医につづき、外科医もいなくなる」など全7章。著者は医師で作家の久坂部羊氏。『大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す』(著者:久坂部羊 幻冬舎 778円)は、久坂部氏にとって初の小説外の作品となる。

一般家庭で育った子どもが医学部に入れるのか?

   医学部志願者は、2007年度は12万8000人だったのに対し、2014年度16万9000人に急増している。その原因は「親子ともに強い安定志向であること」、「私立大医学部学費の1000万円以上の値下げ」である。これによって、従来からの医師家庭や富裕層にサラリーマン家庭が参戦し、全国の80医学部を難化させている。『わが子を医学部に入れる』(著者:小林公夫 祥伝社 864円)では、どうしたら医学部に入れるかを主題に、子どもの育て方から科目別の勉強法や面接、小論文などの入試対策までを紹介。外部から窺い知れない医学部や医師の世界もリポートする。

   「大きく変わった医学部受験/東大神話の崩壊、女性志願者の急増ほか」、「プロが分析!医学部入試の傾向と対策/国公立医学部の入試傾向、私の出題予想が当たる理由ほか」など4章。

エリート街道を走っているはずの医師や医学生の悩み

   「医師免許は取得したが、どの診療科に進めばいいか分からない」「医師に自分が向いているという自信を持てない」「医局を辞めたいがどうしたらいいか分からない」「これからの時代、開業はアリなのか?」「メディカルモールの落とし穴」......などなど。

   順風満帆にみえる医師や医学生たちは何に悩むのか?その背景にあるものは何か?その悩みからどうやって抜け出したか?『医師・医学部のウラとオモテ 「悩めるドクター」が急増する理由』(著者:中村正志 朝日新聞出版 1,512円)では、医師専任キャリアコンサルタントの著者が、これまでに200人以上の医学生、300人以上の研修医・医師の転職相談・キャリア相談を受けてきた現代の医師のリアルを綴る。