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舞台裏が見えるともっとおもしろくなる「選挙」の世界

   9月に入ると、20日に自民党総裁選の投開票が行われるほか、沖縄県知事選など注目の選挙が続く。選挙権は2年前に引き下げられ、18歳から投票ができるようになった。自民党総裁選もそれに準じる計画で結果への影響が注目されている。今回は、さまざまな選挙の歴史や仕組み、問題点など、あらためて選挙や投票について考える本を3冊ご紹介。

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(http://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。

「18歳選挙権」で日本の未来はどう変わるのか!?

   2016(平成28)年6月19日に施行され、同22日から適用されている「18歳選挙権」。20歳から18歳に引き下げられたことで、これからの選挙戦はどんな風に変わるのか?『18歳選挙権で政治はどう変わるか』(著・飯田泰士、昭和堂、1620円)では、人口データや調査結果など豊富な資料をもとに、投票率や投票行動を詳細に分析。新制度の課題をあぶり出し、選挙の未来を考える。

   「選挙権年齢引き下げの背景と、その影響・課題」「有権者が投票する基準は?」「18歳・19歳の投票率を予測する」「ネット選挙と18歳・19歳」など全8章。

主要国と日本の選挙制度を比較 問題の本質を探る

   日本の選挙制度は、一票の格差の問題などさまざまな課題が山積しているが、遅々として改革が進まない。そもそも日本の制度は諸外国と比べてどうなのか?『世界の選挙制度』(著・大林啓吾/白水隆、三省堂、2808円)では、気鋭の学者たちが日本を中心に、9か国の制度を統治システムや選挙制度の特徴・歴史、最近の動向などの項目に分け、わかりやすく解説してくれる。

   執筆者は吉川智志氏(アメリカ担当)、岩切大地氏(イギリス担当)、山本真敬氏(ドイツ担当)、岩垣真人氏(フランス担当)ほか。

個性的で人間的な『無頼系独立候補』の世界

   落選また落選!供託金没収!それでもくじけずに再挑戦!『黙殺 報じられない"無頼系独立候補"たちの戦い』(著・畠山理仁、集英社、1728円)の著者、畠山氏が取材対象にしているのは、赤絨毯の敷かれた永田町の大物政治家ではなく、ストリートでパフォーマンスを繰り広げている街頭演説者。とりわけ、新聞、テレビなどのマスメディアから黙殺されがちだが、選挙の魔力に取り憑かれた泡沫候補(=無頼系独立候補)たちの「独自の戦い」を20年間追いかけている。

   「今、日本で最も有名な『無頼系独立候補』スマイル党総裁・マック赤坂への10年に及ぶ密着取材報告」「公職選挙法の問題、大手メディアの姿勢など、"平等"な選挙が行なわれない理由と、それに対して著者が実践したアイデアとは」「2016年東京都知事選挙における『主要3候補以外の18候補』の戦いをレポート」