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【震災7年 明日への一歩】西日本豪雨から4か月 ボランティアが足りない!被災地・真備町のいま

   東日本大震災から7年目の2018年夏は、台風や水害、地震と深刻な自然災害が相次いだ。そのひとつが岡山県、広島県、愛媛県を中心に未曽有の被害をもたらした西日本豪雨だ。間もなく4か月となる被災地では、仮設住宅の整備が進む一方で、今も避難所生活を送る人がいる。

   時間の経過とともに、豪雨被災地に関する報道は減っている。だが、住む家を失った人たちの生活再建はこれからだ。大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町では、被災者を支援するボランティアの不足が課題となっている。

  • 真備町で行われている、壁の断熱材撤去作業の様子(写真提供:ピースボート災害ボランティアセンター)
    真備町で行われている、壁の断熱材撤去作業の様子(写真提供:ピースボート災害ボランティアセンター)
  • 真備町で行われている、壁の断熱材撤去作業の様子(写真提供:ピースボート災害ボランティアセンター)
  • 壁の清掃作業(写真提供:ピースボート災害ボランティアセンター)
  • 天井の断熱材撤去作業も行われる(写真提供:ピースボート災害ボランティアセンター)

未経験者でも現場で教えてもらえる作業

   倉敷市災害ボランティアセンターはツイッターで、日々のボランティア参加人数を報告している。直近の1週間を見ると、平日は200人前後、土日は300~400人で推移している。

「この先、ボランティアの数が増えることはないでしょう。このままだと、2か月後には必要な人数を確保できるかどうか...」

   J-CASTトレンドの電話取材に、ピースボート災害ボランティアセンター事務局長・上島安裕さんは不安な心情を口にした。最も多い時には2000人ほどが集まった。大幅に減っているのは明らかだ。

   被災者にとっては、災害発生直後とは違ったボランティアのニーズが高まっている。現在、主要な作業は家屋の清掃だ。いったん水に浸かった家を元のように住める状態にするには、がれきを取り除いただけではもちろん済まない。家屋の修繕を行う前段階として必要なのが、天井や壁の中にある水を含んだ断熱材の撤去。放置するとカビだらけになり、強烈なニオイやシロアリ発生の原因にもなるので、その後のリフォームに悪影響を与える。費用を払えば専門業者にも頼めるが、被災者はただでさえ厳しい生活を強いられている。その負担を少しでも軽減しようと、ボランティアが作業を引き受けるのだ。

   壁をはがして不要物を撤去し清掃する一連の作業は、現場で教えてもらえるので未経験者でも可能だと上島さんは話す。浸水した自宅を解体せず、再び住めるように直したいと望む被災者が、家の清掃作業を求めてくる。「仮設住宅に入ってからも、元の家に戻りたいという人はいます」(上島さん)。

   作業は難しくないが、肝心の人手が不足している。ボランティアの継続的な確保は急務なのだ。

体力が不安でも心配なし

   ボランティア活動経験がない場合、体力面での不安を持つ人はいるだろう。肉体的な作業で、足手まといにならないだろうか――。上島さんによると、例えば清掃作業現場では「ゴミを集めて脇に寄せる」といった軽作業もある。

「体力に自信がない人は、そのように申告してもらえれば、作業チームの中で本人に合った作業を割り当てることになります」