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シヤチハタが思い切ったリツイート 「怒られる覚悟で」...その中身

「企業ツイートでこのような記事を引用して良いものか分かりかねますが(怒られる覚悟ですが)、この愛のあるやり取りは『エモーション』以外の何ものでもないと思います」

   シヤチハタ(愛知県名古屋市)の公式ツイッターアカウントが2019年1月28日、このように呟き、「日刊スポーツ」が配信した記事を引用RT(リツイート)した。その内容は、ジャニーズファンを公言している日本テレビの青木源太アナウンサーが1月27日にジャニーズ事務所で開かれた「嵐」の活動休止会見で、質問の最中に涙したというものだ。

  • シヤチハタが「嵐」の活動休止会見の記事を拡散
    シヤチハタが「嵐」の活動休止会見の記事を拡散
  • シヤチハタが「嵐」の活動休止会見の記事を拡散
  • 「怒られる覚悟で」リツイート(画像はシヤチハタの公式ツイッターアカウントから)

「こんな気持ちで働いている社員もいるよ」を伝える

   企業のアカウントが自社のサービスや商品と関係がないニュース記事をRTするのは、なかなか珍しい。J-CASTトレンドは、シヤチハタ社でツイッターを運営しているデジタルマーケティング課の担当者に電話で取材、真意を尋ねた。すると、

「『嵐』の活動休止というのは誰にでも身近で、日常的な話題だと思います。それに加え、ツイッターに投稿した通り、とても愛のある素晴らしいやり取りだと感じたため、多くの人に『知ってほしい』、『共有したい』という思いでRTしました。『怒られる覚悟ですが』とツイートしましたが、上司は理解を示してくれたので、怒られませんでした(笑)」

との回答が得られた。担当者は「嵐」も含め、ジャニーズ事務所をひとりのファンとして応援していると話す。ほかにスパイダーマンやウルヴァリンといったアメリカン・コミック「MARVEL」のキャラクターにも興味があり、自社商品の紹介や宣伝投稿の合間に、ネタとして取り上げ、ツイートすることもある。

   その理由は、シヤチハタ社にとってツイッターはユーザーに寄り添うためのツールであり、「お客様相談室」などの窓口に寄せるには「ハードルが高い」と感じるような些細な質問でも気軽に寄せてもらえる場所を目指しているからだという。

「もともと、ツイッターは『個人の独り言を垂れ流すツール』ですから、私は『企業アカウントであろうと、いちツイッターユーザーに過ぎない』と考えています。そこで、『こんな気持ちで働いている社員もいるよ』ということを、投稿を通じて伝え親しみを感じてもらいたいと思っています」

   この担当者は5か月ほど前からツイッターの運営に当たっている。それ以前は今のように自由なスタイルの投稿ではなく、自社商品に絡めた宣伝ツイートがほとんどだった。前任からバトンを受け取って以来、「日々どういった工夫を凝らすべきか試行錯誤している」と吐露したが、フォロワー数は徐々に増加しているという。

「色々なユーザーとどのように向き合っていくべきかという『意識』を、ツイッターを通じて学ばせていただいていると思っています」