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発売1週間で82万ケース 「一番ビールに近い」味目指す「金麦<ゴールド・ラガー>」

   サントリービールが、2019年2月5日に新発売した「金麦<ゴールド・ラガー>」の売れ行きが好調だ。同社は2月12日、同製品の一斉出荷数量が、過去10年間で発売した新ジャンルの新商品のなかで最多となる82万ケースに達したと発表した。

  • 「一番ビールに近い」味を目指す「金麦<ゴールド・ラガー>」
    「一番ビールに近い」味を目指す「金麦<ゴールド・ラガー>」
  • 「一番ビールに近い」味を目指す「金麦<ゴールド・ラガー>」

「ザ・プレミアム・モルツ」で培った製法の技術生かす

   サントリーによると、「金麦<ゴールド・ラガー>」は「力強い飲みごたえとコク」にこだわったという。

   同社が目指したのは「一番ビールに近い金麦」の実現だった。そこで、同社のヒット商品「ザ・プレミアム・モルツ」で培った「ダブルデコクション製法」の技術を生かし、「本格二段仕込製法」を編み出した。

   「金麦<ゴールド・ラガー>」では、麦汁を作り出す麦芽の使用比率が限られている。そのため、麦芽由来のコクを引き出す糖化工程(麦芽の持つデンプンを糖分に変える工程で、糖分を酵母がアルコールと二酸化炭素に変換(発酵)することで、コクが生まれる)が重要だ。麦汁の質にこだわり、通常は1度しか煮出さない麦汁を、2度煮出す手間と時間をかけたことで、しっかりとした濃厚な麦汁を作り出すことができたという。

   開発者のマーケティング本部ブランド戦略部課長の宮下弘至氏は、

「(同商品は)40~50代男性の新ジャンルヘビーユーザーをメインとして設定しています。本当はビールが飲みたいけれど、日常的にビール類を愉しみたいから、本格的な新ジャンルを選択するというニーズは、今後も増え続けると考えています」

と説明。またビール商品開発研究部の清水陽平氏は、

「『ビールに近い味を作る』というのは、単に濃くするだけでは『のどごし』が悪かったり、飲み続けるのがつらくなります。最初のひと口に、しっかりとしたビール感があり、量を飲み続けても『おいしい』と思える『力強いコクとすっきりとした飲みやすさの両立』を目指しました」

とアピールする。

   サントリーによると、近年のビール類動向では「クラフトビール」が若者たちの人気を集め、同社「ザ・プレミアム・モルツ」が"神泡"としたプロモーションを展開するなどしている。

   同社では「本格的な味わいを求める嗜好(しこう)は、今後も拡大すると予想しています。特に今年10月には、消費増税が施行されることから、新ジャンル市場は、前年比の2倍以上になると予想しています」という。「金麦<ゴールド・ラガー>」が「一番ビールに近い味」を目指すのは、こうした消費者の嗜好の動きに合わせているようだ。