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【センバツ】ゲームセットがかかるまで勝負はわからないのが野球

   2019年3月25日、第91回高校野球選抜大会(以下、春の選抜)3日目の第2試合は盛岡大附高校(岩手)対石岡一高校(茨城)の試合だった。

   21世紀枠での出場となった石岡一高校は先発の岩本大地が素晴らしい立ち上がりを見せた。1回裏、先頭の峰圭哉をスライダーで空振り三振に仕留めると、佐々木俊輔、平賀 佑東も空振り三振に打ち取り三者連続三振。2回先頭の岡田 光輝も空振り三振に打ち取り、なんと4者連続で空振り三振。

   5番の小野寺颯斗は右飛となったが、6番小川健成を空振り三振。2回までに奪った6個のアウトのうち5個を空振り三振と圧巻の内容である。

   ストレートの球速はほとんどが140キロに届いていないものの、スライダーとのコンビネーションで盛岡大附高校打線を寄せ付けない。

   3回、そんな岩本の好投に応えるかのように石岡一高校は相手のミスに乗じて1点を先制する。

   先制点をもらった岩本はその後も崩れない。4回以降は7回まで毎回、走者を背負うものの、決定打を許すことなく淡々とアウトを積み重ねていく。

   そして9回には味方打線が2死から三連打で待望の追加点。2対0となり、勝利を大きく手繰り寄せた。

   しかし、すんなり終わらないのが高校野球の怖いところ。9回、盛岡大附高校は先頭の佐々木が出塁。その後、2者連続で中飛となり2死一塁。ここで小野寺が二塁打を放ち2死二、三塁と一打同点のビッグチャンスを作る。

   迎えた小川はカウント1ボール2ストライクからの4球目を右翼へ弾き返し、二者が生還。土壇場で試合は2対2の振り出しに戻る。あと1人、あと1球のところで勝利の女神は石岡一ではなく、盛岡大附に微笑みかけた。

   そして迎えた11回、盛岡大附が2つの四球と失策で1死満塁のチャンスを作る。打席に入った小野寺はフルカウントから一振り。打球はボテボテの投ゴロ、かと思われた。しかし、岩本のバックホームが逸れ三塁走者が生還。サヨナラ勝ちで盛岡大附が2回戦へと駒を進めることになった。

   甲子園に限らず、高校生の試合は最後まで何が起こるかわからない。それを体現したような試合展開だった。石岡一の岩本は丁寧な投球で9回2死までこぎつけたものの、あと一歩及ばずに同点へと持ち込まれ、最後は自身の送球エラーでサヨナラ負け。悔しい結末となったことは間違いない。夏へ向け、再び鍛え直すことになる。

   一方の盛岡大附は決して諦めないという姿勢を見せ、土壇場で試合を振り出しへと戻し、最後はノーヒットでサヨナラ勝ち。これが高校野球、ということを改めて教えてくれた。2回戦では龍谷大平安高校と戦うことになる。

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編集長は安田未由。
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