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小さな桐箱に隠されたカラクリ 「ひっそり完売」納得できず再販の「珍品」

   和菓子の箱に小判を隠し、悪代官に「袖の下」を渡す越後屋。「時代劇で見たことがある」と思う人も多いのではないだろうか。

   熱海温泉の土産物で、ドクダミを使った饅頭「毒饅頭」を販売する「伊豆半島」(静岡県熱海市)は、そんなワンシーンを再現できそうなカラクリ仕掛けの桐箱「奥の手」を2019年4月27日に発売した。

  • 「奥の手」(毒饅頭入り)※筆者撮影
    「奥の手」(毒饅頭入り)※筆者撮影
  • 「奥の手」(毒饅頭入り)※筆者撮影
  • 「奥の手」(毒饅頭入り)※筆者撮影
  • 「奥の手」(毒饅頭入り)※筆者撮影
  • 伊豆半島推奨の「カワイイ活用法」※プレスリリースより

帯付きの札束が入らないようにサイズを工夫

   「奥の手」は一見何の変哲もない桐箱だが、隠し引き出しが付いている。開けると「秘密の空間」が現れ、そこに様々なものを忍ばせて秘密の贈り物を渡せるのだ。

   この商品、実は4月1日に一度発売されている。プレスリリースによると、エイプリルフールの話題作りに10個限定で販売され、即日完売している。だがリリースには「イマイチ盛り上がらず、ザワツキもしなかった」とある。売り切れたのに、どこか納得していない印象だ。

   J-CASTトレンドの取材に答えた店舗のスタッフによると、今年の4月1日は「新元号」発表の日。メディアはその話題でもちきりになり、エイプリルフール自体がもうひとつ盛り上がらなかった。こだわり抜いた自信作だったのに、特に話題になることもなく「ひっそり」と完売してしまったという。

   そこで「せっかく作った作品をもっと多くの人に見てほしい」と、再販が決まったと明かした。前作よりさらにこだわったつくりとの話だ。

   編集部に、「奥の手」の実物が送られてきた。14(幅)×14(奥行)×7(高さ)センチ程度のごく普通の見た目の桐の箱で、蓋には控えめに「奥の手」と書いてある。開いてみると、「毒饅頭」が4つ入っていた。

   さて、どこがカラクリになっているのだろうか。「ここかな」と思ったところを引っ張っても、びくともしない。目を凝らして箱を観察し、なんとか継ぎ目のような箇所を見つけカラクリを暴いた。すると箱の底の空洞が現れた。時代劇なら「袖の下」が入るところだが、プレスリリースによると、帯付きの札束が入らないように慎重にサイズを工夫してある。

   商品を購入するとこの部分にプレゼントが入っており、「見た人は思わず笑ってしまうだろう」とスタッフは語った。

   熱海の「伊豆半島」店舗でのみ購入することができ、毎週10個限定で販売される。