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47都道府県で口臭予防の意識に差 「日本人の口臭」テーマにセミナー

   口臭ケアの啓発活動などをおこなう団体「ブレス・ハザードプロジェクト」は、「日本人の口臭」をテーマとしたプレス向けセミナーを2019年5月29日、東京都内で開催した。

   日本人の口臭事情にまつわる調査結果の発表や、現役の歯科医師による講演などが行なわれた。

  • 「日本人の口臭」にまつわるセミナーが開催
    「日本人の口臭」にまつわるセミナーが開催
  • 「日本人の口臭」にまつわるセミナーが開催
  • 「口臭ケア意識」調査は都道府県により大きな差が
  • 女性は思春期、妊娠・出産期、更年期に歯周病リスクが高まるという
  • ブレス・ハザードプロジェクトの若林健史氏(左)と道廣香奈氏(右)。
  • 調査に使用されたタイヨウ社の口臭測定器「B/Bチェッカー」

「臭いを感じる」レベルの口臭をもつ割合は男女どちらが高い?

   前半では、ブレス・ハザードプロジェクトが「日本人の口臭の現状と課題」をまとめた調査書「口臭白書2019」の結果を、歯科医療総合商社のモリタ(大阪府吹田市)で歯科衛生士を務める道廣香奈氏が報告した。

   全国4700人に対するアンケート調査から算出した「都道府県別口臭ケアランキング」では、徳島県が「最も口臭予防意識が高い県」に選ばれた。最下位は三重県だった。都道府県によって口臭予防の意識に大きな差が出た理由について、県民性研究者の矢野新一氏は「口臭白書2019」の中で、「口臭に対する知識の違いや歯科医院の身近さなどが関係するのでは」と考察していた。

   生体ガス測定システムを手掛けるタイヨウ(大阪市)の測定器を用いて、20代~60代の男女214人を対象におこなった「口臭レベルの実態」調査では、口臭測定器が「周囲の人が臭いを感じる」レベルの口臭であると測定した割合が、男性の8.3%に比べ女性が17.9%と2倍以上になった。

   この理由を、ブレス・ハザードプロジェクトのメンバーで歯科医師の若林健史氏は、女性特有のホルモンバランスが、口臭の原因となる歯周病を患うリスクを高めていると指摘。女性は特に思春期、妊娠・出産期、更年期の3つの時期でこうしたリスクが高まるとし、男性以上に意識して口腔ケアに取り組むこと、またそのためには夫や家族をはじめ、周囲のサポートが不可欠であると説いた。

口臭対策に「3か月に一度は歯医者へ」と専門医

   セミナー後半では、ブレス・ハザードプロジェクトの若林氏による講演会「口臭の原因と効果的な対策」が開かれた。

   若林氏は、口臭の種類には起床時や空腹時に強く生じる「生理的口臭」、虫歯や歯周病など口内環境の悪化によって生じる「病的口臭」、ニンニクなど臭いを発するものを摂取することで生じる「外因的口臭」、ストレスや精神不安で口臭があると思い込む「心因的口臭」の4つがあると説明。その中でも「病的口臭」の原因となる歯周病は、悪化するとメタボリックシンドロームや動脈硬化といった全身疾病を引き起こす恐れがあるとして、予防や治療の重要性を強く呼び掛けた。

   また、効果的な口臭対策のためには、自分で歯磨きや舌磨きをする「セルフケア」が有効だとしながらも、若林氏はそれだけでは不十分とし、

「3か月に1度は歯医者に行ってメンテナンスをしてほしい」

と、定期的に歯科に通う「プロフェッショナルケア」の必要性を説いた。