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謎多き「マネキン地下アイドルグループ」 メジャーデビュー「GINZAN BOYZ」の衝撃

   地下アイドルグループ「GINZAN BOYZ(ギンザンボーイズ)」――。正体は、「史跡・生野銀山」(兵庫県朝来市)に展示されている60体のマネキン人形だ。2019年8月2日、ソニーミュージックからメジャーデビューを果たした。

   ロックバンド「FLOW」の代表曲「GO!!!」を、生野銀山の坑道に鳴り響いてきた硬質な金属音をイメージしたアレンジでカバーしている。J-CASTトレンド記者も早速楽曲をダウンロードして聞いてみた。

  • 会いにいけるGINZAN BOYZ
    会いにいけるGINZAN BOYZ
  • 会いにいけるGINZAN BOYZ

戦国時代から...重低音で響く採掘音

   イントロとして、ドドドドドというドリルで岩を削るような音とカーンカーンという金属音が鳴り響く。歌が始まった後も背後で流れ続けているため、オリジナルの楽曲と比べて、低く、重いサウンドになっている。ボーカル部分も音の反響が大きいように感じる。坑道の中で歌っているイメージなのだろうか。

   リリースによると、「超プリミティヴ・インダストリアルな人間賛歌に仕上がっています」。「Fighting Dreamers」という歌詞に、戦国時代から昭和まで生野銀山を採掘し、日本の近代化を支えたGINZAN BOYZを重ねているそうだ。

   そもそもGINZAN BOYZとは何なのか。

   「史跡・生野銀山」は1973年まで採掘が行われていた国内有数の銀山・生野銀山を観光用に整備した観光施設だ。翌74年から管理会社「シルバー生野」が運営している。資料や鉱物、かつての坑道を公開しており、坑道内外では、作業員の姿を再現したマネキンが鉱山として稼働していたころの様子を伝えている。このマネキンたちが、2017年から「GINZAN BOYZ」としてアイドル活動をしている。

   「世界一深い地下で活動する"超スーパー地下アイドル"」として、これまで2曲を発表し、印象的なミュージックビデオを複数のメディアが取り上げた。

   取材に応じたシルバー生野のGINZAN BOYZ担当者によると、彼らの活躍によって観光客の減少に歯止めがかかっている。多くの若者がGINZAN BOYZに会いに生野銀山まで来ているという。

「GINZAN BOYZ総選挙」1位の朝来市長もMV出演

   8月3日には、GINZAN BOYZ版「GO!!!」のMVが公開される。GINZAN BOYZは朝来市の地域おこしにも協力しており、今回のミュージックビデオ(MV)は「朝来市応援ムービー『ASAGOにGO!!!』」と名付けられている。

   同日、史跡・生野銀山では記念イベントが行われる。 過去2作のMVにも出演し、2018年に行われた「GINZAN BOYZ選抜総選挙」で1位を獲得した朝来市長の多次勝昭氏もイベントに参加する。

   シルバー生野の担当者によると、多次市長は新MVにも出演している。