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ガンバの麗央から「世界のレオ」へ 高江麗央が狙うは金メダルのみ【特集・目指せ!東京2020】

   「特集・目指せ!東京2020」の第2回は、サッカーJ1・ガンバ大阪の高江麗央選手だ。2019年5月に行われたセレッソ大阪との「大阪ダービー」では、豊富な運動量と攻守の切り替えの早さを生かし、ボランチのポジションからチームを8試合ぶりの勝利に導いた。

   日本代表のボランチは昨年、代表引退を発表した長谷部誠選手が8年に渡り君臨してきたが、その後継者として注目されている。(インタビュアー:石井紘人)

  • ガンバ大阪でプレーする高江選手 (c) GAMBA OSAKA
    ガンバ大阪でプレーする高江選手 (c) GAMBA OSAKA
  • ガンバ大阪でプレーする高江選手 (c) GAMBA OSAKA
  • インタビュー中は笑顔も
  • ピッチを駆け回る (c) GAMBA OSAKA
  • 取材後の撮影時に引き締まった表情で
  • ボールを追う高江選手 (c) GAMBA OSAKA

和製モドリッチより遠藤保仁と今野泰幸のハイブリッド

   ――高江麗央選手の五輪に対する印象を教えてください。

高江 サッカー始めた時からずっと、五輪やワールドカップ(W杯)を目指していたので、凄く憧れている舞台です。

   ――高江選手は、アンダー世代の(ユース)日本代表に選出されたことがありませんが、ユース代表への憧れはありましたか。

高江 憧れはなかったです。僕はプロになることしか考えていなかった。それこそ、大学に入ってからとかではなく、(東福岡)高校卒業と同時にプロになるという強い気持ちでいました。もちろん、五輪代表や日本代表は目指していますが、ユース代表は目標としていませんでした。ユース代表に選出されても、プロになれない選手はいっぱいいますし。

   ――そして、実際に高校卒業と同時にプロになりました。メディアからは、レアルマドリードの10番でW杯2018ロシア大会のMVPであるモドリッチの和製版とも評されていますが、御自身のイメージしているプレーはありますか。

高江 やっぱりヤット(遠藤保仁)さんと今野(泰幸)さんのハイブリットですね。僕のポジションでは、ヤットさんの攻撃の部分の何手先も読んだパスやゲームメイク、今野さんの守備のインターセプトや相手を潰すことが必要になります。それでいて、二人とも得点に絡むじゃないですか。
二人と一緒に練習していましたけど、日本に二人以上の選手はいないと思います。二人を追い越せれば、自然と日本代表に定着できるはずです。僕は運動量が豊富なので、一般のファンには、攻守に渡るダイナミックな動き、ゴールやボールを奪うための攻守の切り替えを見て欲しいです。

五輪は憧れの舞台、選ばれたい気持ちは常に

   ――現在、J1に定着し始めている高江選手ですが、まだ五輪代表には選出されていません。一年後に五輪代表に選出される自信はありますか。

高江 「今選びます」ってなったら無理だと思います。でも、一年は切っていますが、まだまだ時間はあります。日々、ヤットさんや今野さんに追いつけるように意識高く練習をして、自分がやるべきことをやれば、可能性はあると思っています。五輪は憧れの舞台でもあるので、選ばれたいって気持ちは常に持っています。

   ――五輪に出場できたとして、目標はメダルですか?

高江 いや、メダルではなく、優勝ですね。スポーツ選手としては、出る以上は常に優勝を目指すというのは、当たり前に出てくる答えだと思っています。応援してくれる人にも失礼じゃないですか。「3位を目指しますね」って宣言されても、「いやいや、優勝目指してよ」って、自分が応援する側、サポーターだったら思います。僕は昔から、プロを目指していたし、プロであるならば、常に優勝を目指すべきだと考えています。

   ――では、高江選手の近々の目標は五輪での優勝。そして、日本代表に選ばれてW杯と続く訳ですが、キャリアの終着点のイメージはありますか。

高江 う~ん。ヤットさんが今39歳ですよね。40歳まではJ1でやりたいです。日本代表も目標ですが、海外リーグで戦力としてずっと使われ続けるっていう経験もしたいです。その中で、海外リーグで40歳までプレーできれば理想的ですが、現実的には日本で、になると思うので、40歳までJ1でプレーを続けたい。でも、まずは来年の五輪に選ばれるように、頑張っていきたいです。

   来年2020年7月24日、東京五輪の開会式が行われる。J-CASTトレンドでは東京五輪・パラリンピック本番まで、各種競技のアスリートや、過去の大会出場経験者を、直撃インタビューなどを通じて取り上げていく。


高江 麗央選手(Leo Takae)
1998年6月27日生まれ。熊本県熊本市出身。
高校サッカーの強豪校である東福岡高校から、2017シーズンよりガンバ大阪に加入。
1年目からガンバ大阪U-23(J3リーグ)にて活躍し30試合3得点と結果を残すと、2年目にはトップチームデビュー。
3年目となる今年はトップチームに定着し、出場機会も増加。豊富な運動量を武器に、中盤で存在感を示している。


文:石井紘人(いしい・はやと)
ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。
著作に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)、プロデュース作品に久保竜彦が出演した『弾丸シュートを蹴る方法』(JVD)がある。
『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「静寂から熱狂そしてリスペクト」などを寄稿。
株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作した『審判』の版元でもある。