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新型コロナウイルス対策にアルコール消毒 東京と神奈川で「除菌スプレー」設置状況を調査

   新型コロナウイルスによる肺炎の感染報告が、日本国内でも増え始めた。厚生労働省の公式ウェブサイトによれば、2020年1月30日正午時点で9人の感染者が確認された。J-CASTトレンドが1月29日に公開した記事でも触れたが、連日報道される感染症のニュースを受けてか「アルコール除菌」「アルコール消毒」に関する意識が高まっているようだ。

   ツイッターを見ると「今まで見向きもしなかったアルコール消毒スプレー。飲食店とかに置いてあると、必ずシュッシュッとやるようになったw」、「電車を降りたら駅のトイレで手を洗い、デパート等に入ったら設置されてるアルコールをプシュー...で過ごしてます」などの声が見つかる。編集部では1月29日、東京都内や神奈川の駅、商業施設などを歩いて回り、備え付けのアルコール除菌スプレー設置・使用の様子を確かめてみた。

  • 東京都内と神奈川の駅や商業施設におけるアルコール除菌スプレーの使用率は?(写真一部加工)
    東京都内と神奈川の駅や商業施設におけるアルコール除菌スプレーの使用率は?(写真一部加工)
  • 東京都内と神奈川の駅や商業施設におけるアルコール除菌スプレーの使用率は?(写真一部加工)

置いてあるのに通り過ぎ...

   まず、都内にある4施設について。初めに訪れたのは日本有数の乗降者数を誇る新宿駅に近い百貨店だ。駅と直結しているフロアの、インフォメーションカウンター前にアルコール除菌スプレーがぽつんと置かれている。近くで10分ほど観察すると、利用者は1人だけ。足早に目の前を通り過ぎる人ばかりだ。カウンター内にスタッフがいなかったため設置時期は確認できなかったが、中身は満タンに近かった。

   2軒目はJR四ツ谷駅と直結する商業施設へ。記者が確認した限り、入口にアルコール除菌スプレーはない。店内の各飲食テナントを見ると、置いていたのはイートインスペースが併設されているベーカリー1店のみだった。ただイートインスペース受付カウンター前にあるだけで、テイクアウト用のパン陳列スペース部分には置かれていない。また、利用者の姿は見られなかった。

   渋谷駅近くの複合施設には、案内所にアルコール除菌スプレーがあった。新型肺炎対策かどうかは不明だが、勤務していた人によると「1月29日から設置した」そうだ。4軒目、江東区の複合商業施設には、記者が確認した限り6か所の入り口があり、全てアルコール除菌スプレーが配置されていたが、利用している人はいなかった。施設内のフードコートには、手洗い場があるためかアルコール除菌スプレーは未設置だった。

除菌せずに野菜や果物を手に取ったり、戻したり

   神奈川県の施設も3軒調べた。相模原市の、ある駅直結商業施設内の食品・惣菜売り場の片隅に、アルコール除菌スプレーが。買い物客に混じりつつ利用状況を10分ほど観察したが、誰一人スプレーに触れることなく、そのまま野菜や果物を手に取ったり、戻したりしていく。2軒目、川崎市の商業施設内にある総菜店で、「衛生管理のため」との注意書きと共に設置してあった。設置時期、新型肺炎対策かどうかは不明で、利用者は見かけなかった。別の商業施設では、出入口1か所に除菌スプレーの設置を確認した。

   最後に、自宅最寄り駅の公衆トイレに立ち寄った。アルコール除菌スプレーが手洗い場に置いてあったが、石鹸手洗いだけで終える人ばかりだった。

   新型肺炎やインフルエンザの流行が懸念される現在、東京都と神奈川県内の鉄道駅周辺や施設を複数見て回ってみて、調査前に記者が予想したよりも「意外とアルコール除菌スプレーが置いていない」「意識して探さないと見つけられない場所が多い」というのが率直な感想だ。