J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

空き家「活用したい」けどどうしたらいいか... 所有者実態調査、年代で認識に差も

   地方だけではなく首都圏でも増えている「空き家」。所有者の7割以上が「活用したい」と思いながらも金銭面の不安や、どうすればいいかわからないという理由で放置してしまっているという実態があるようだ。

   不動産売買・賃貸業や空き家再生事業を手掛けるジェクトワン(東京都渋谷区)が運営するアキサポ空き家総研が2020年3月19日に公表した「空き家所有者」の意識・実態に関する調査から明らかになった。一都三県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)に空き家を所有する30代~60代の男女300人を対象に行ったものだ。

  • 空き家に対する一般的なイメージ
    空き家に対する一般的なイメージ
  • 空き家に対する一般的なイメージ
  • 空き家を放置してしまっている理由
  • 空き家活用の意向
  • もし空き家を活用するとしたらどうするか

空き家は「売りたくても売れない」「お金がかかる」モノ

   まず「空き家に対する一般的なイメージ」について複数回答で聞くと、「お金」に関するネガティブなイメージが先行する結果になった。

   回答数が多かった順に「売却したくてもできない(31.3%)」、「リフォームやリノベーションにお金が掛かる(29.7%)」、「固定資産税が高い(28.3%)」、「活用方法が少ない(24.7%)」だ。「売却したくてもできない」、「リフォームやリノベーションにお金が掛かる」は、年代が上になるにつれて高ポイントになる傾向がみられる。特に「売却したくてもできない」は30代だと19.0%だが、60代では36.3%となり、倍近く差がついた。この結果を受け、同社は発表資料で、

「年代が上がるにつれて、『空き家は売りたくても売れないモノ』、『(売るにも活用するにも)お金がかかるモノ』という認識が強く、この考えが、結果として現在の空き家問題を生み出す一つの要因になっているのかもしれない」

と分析している。

   なぜ放置してしまっているのか、その理由を300人に尋ねた(複数回答)。トップ3は「何をするにしてもお金が掛かる(35.0%)」、「活用したいがどうしたらよいかわからない(30.7%)」、「建物に価値が無さそう(23.7%)」だ。

もし活用するとしたら6割「売却する」

   では、空き家所有者は今後どの程度活用していきたいと考えているのか。「どちらでもない」と回答した人を除き、199人を対象に調査をすると「活用したい」人(「活用したい」と「やや活用したい」の合計)は71.9%に上った。一方、「活用したくない」人は28.1%(「あまり活用したくない」と「活用したくない」の合計)だった。

   もし活用するとしたらどうするか。300人に尋ねると(複数回答)、全年代を通じて最も多かった意見が「売却する(61.0%)」だった。自己所有物件を売却したいと考える人は、年代が上がるにつれ高くなる傾向にあり、30代(38.1%)、40代(52.8%)、50代が(58.6%)、60代(73.6%)という結果が得られている。逆に「自分や家族が住む」、「別荘(セカンドハウス)として使う」という回答数は若い年代ほど多い。