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新型コロナ対策にVRキャンパスツアー 受験生が自宅で大学・専門学校を見学できる

   学校広報事業を展開するアクセスネクステージ(東京都港区)は、「VRキャンパスツアー導入サービス」を2020年4月1日から開始した。大学や専門学校に、VR(仮想現実)を用いたキャンパスツアーの導入、および各学校のVRによるキャンパスツアー動画の受験生への発送を行う。

  • 「VRキャンパスツアー」動画の一例
    「VRキャンパスツアー」動画の一例
  • 「VRキャンパスツアー」動画の一例

春のオープンキャンパス中止で見学機会減

   昨今の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い春のオープンキャンパスを中止する大学・専門学校が出始めており、受験生たちの学校見学の機会が減少している。「VRキャンパスツアー導入サービス」は、これに対応したものだ。

   J-CASTトレンドがアクセスグループ・ホールディングスに電話取材をすると、事業統括室の田中康弘さんは、「VRを使ったキャンパスツアーはすでに10校から15校ほどで行っていた」、「新型コロナウイルス感染拡大を受けて、このたびより全国的なサービス提供を目指して開始した」と話した。

   現状、VR技術を用いてのキャンパスツアーは課題も多い。田中さんによると、「学校側がVR技術に関するノウハウを持っていないことや、機材をそろえるのが難しいなどの理由から、VRキャンパスツアーを導入できる学校は限られている」とのこと。

   「VRキャンパスツアー導入サービス」では、キャンパス内のVR動画または静止画の撮影や編集から受験生への告知までを一貫してアクセスネクステージが請け負う。VRキャンパスツアーへのハードルを下げ、これまで導入を見送っていた各学校にサービスを利用してもらうのが狙いだ。

360度ビューVRゴーグルをスマホに装着

   実際の運用は、アクセスネクステージと事業面で交流のあった大村印刷(山口県防府市)と連携。360度ビューが可能な大村印刷オリジナルの組み立て式紙製VRゴーグル「Auggle S2」を受験生に提供し、それをスマートフォンに装着して、アクセスネクステージが撮影・編集したVR動画を視聴してもらうという仕組みだ。

   田中さんは取材の中で、「今回の新型コロナウイルスをはじめ、地震や台風といった災害発生によって学校に行けない、入れないといったケースに、VRキャンパスツアーのニーズは大いにあると思う」とし、「新型コロナウイルスによるキャンパス案内の中止の動きが収束した後も、積極的に導入を広めていきたい」と意気込みを語った。