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「アベノマスク詐欺」早くも発生 布マスク「送り付け商法」で高額請求

   政府は、新型コロナウイルスの感染予防として、全世帯に布マスクを提供する。東京都では、2020年4月17日から順次配布を開始した。

   そんな中、消費者庁は、政府とは関係のないマスクの悪質な送り付けに対する注意を呼びかけている。詐欺被害にあう恐れがあるからだ。

  • 消費者庁が身に覚えのないマスクの送り付けに注意喚起
    消費者庁が身に覚えのないマスクの送り付けに注意喚起
  • 消費者庁が身に覚えのないマスクの送り付けに注意喚起

買った覚えのないマスク...慌てて振り込まないで

   2020年4月15日に行われた消費者庁の定例会見で伊藤明子消費者庁長官は、4月13日までに寄せられた新型コロナウイルス関連の消費生活相談1万3432件のうち、「送り付け商法」に関すると思われる相談が151件あったと説明した。そのうちの約9割にあたる137件が、マスクをはじめとする「保健衛生品その他」関連だった。

   政府が配布する布製マスクは、1住所当たりにつき2枚ずつが、お知らせ文と一緒に透明の袋に包んで届く。これに当てはまらない商品が届いた場合は、悪質な送り付けの可能性がある。

   「送り付け商法」とは、買った覚えのない商品が急に送られてきて、高額の代金を請求されるもの。伊藤長官は会見内で、注文していない箱入りマスクや消毒液が送付され、高額請求された事例を挙げている。「家族が注文したのだろう」と思い込み、慌てて振り込む事態が想定されるとのこと。

   消費者庁は、対処法を公式サイト上で例を挙げて公開している。例えば、心当たりのない封筒に入った30枚入りの使い捨てマスクが宅急便で届いた場合で、説明されている。

   まず、一旦落ち着く。そして、送り付けられる前に事業者から電話で連絡が来たか、「あり」なら、送付された商品に対して売買契約の勧誘があったか。締結の申し込みをしていなければ、売買契約は成立していない。料金の支払いも、事業者への連絡も必要ない。

   仮に申し込み、実際に商品が届いた場合であっても、契約書面を受け取ってから8日以内であれば無条件に契約の解除が認められる「クーリングオフ」ができる。なお、書面を受け取っていなければ、クーリングオフはいつでも可能だ。焦らず冷静に対応しよう。

ひとりで抱え込まずに消費者ホットラインに連絡を

   次に、事前に事業者から連絡がなかった場合。売買契約は成立しておらず、料金の支払いや事業者への連絡は不要だ。届いた商品は使用せずに14日間保管する。商品の送付があった日から事業者による引き取りがないまま14日間が経過したら、商品は自由に処分してかまわない。また、電話番号を知られてしまう可能性があるため、慌てて事業者に連絡を入れたりしない。一定期間保管したのちに処分するように呼びかけている。

   もし、少しでもおかしいと思い、対応の方法が分からない場合は、ひとりで抱え込まずに消費者ホットライン「188」に連絡しよう。地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してもらえる。