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左利きは「誤り」じゃない 手帳や万年筆におたま、便利な道具も増えてきた

   左利きだと思われる幼い娘を持つ母親が、女性向けウェブ掲示板「ガールズちゃんねる」に2020年6月30日にトピックを立ち上げた。左利きを「子供の個性」と受け止め、「矯正しないといけないくらい不便ですか」と問いかけている。

   記者が見た限り、トピックは「いけないわけじゃない」が「たまに不便」という意見が多い。左利きだとノートや黒板に文字を書く時や改札を通る時をはじめ、「右利き用のおたま」、「斜めにカットされているフライ返し」を使う際などにやりづらさを感じるようだ。

  • 右開きで書き込みやすい「左ききの手帳2020」
    右開きで書き込みやすい「左ききの手帳2020」
  • 右開きで書き込みやすい「左ききの手帳2020」
  • 家庭に一本あればみんなで使える「一菱金属 すくいやすく注ぎやすいレードル(左右兼用)」(画像2)
  • イチョウの葉のような形で、左右どちらからも「すくえて注げる」
  • フライパンのふちにフィットする斜めカットのフライ返し「サンクラフト愛妻専科バタービーター・左手用(左利き用)」
  • 片手で注げる「白山陶器『茶和』急須・左手用(左利き用)」

「子どもの特性ととらえて」

   オンラインストア「左ききの道具店」は、左利きの人が使いやすい文房具やキッチン用品などをセレクトして販売している。18年8月13日の「左利きの日」に開店した。店長の加藤礼さんに「左利きは矯正しないといけないほど不便なのか」尋ねた。すると、

「右利きに直そうとすれば直る子もいますが、『直そうとしたらしゃべれなくなった』事例も見られるようです。子どもの特性ととらえ、その子に合った道具を選んであげるのがよいのでは」

との答え。加藤さん自身幼い頃、親に言われて右手で文字を書けるよう努力したが「難しかった」。今は箸を右手で使い、左手で筆記をしている。「矯正には『間違いや欠点を直すこと』という意味がありますが、左利きは『誤り』ではありません」と語った。

「右開き」で書き込んでいる内容が手で隠れない手帳

   販売中のアイテムから、売れ筋やギフトとして人気の高い商品をいくつか紹介してもらった。

   例えばイチョウの葉のような形の「一菱金属 すくいやすく注ぎやすいレードル(左右兼用)」(画像2)。左利きの人が右利き用のおたまを使おうとすると注ぎ口が手前に来ないため、「無理に丸い側で注ぐ人もいる」。同品は両端にゆるやかなカーブととがった部分があり、左右どちらからもすくえて注げる。そのため「右利きの家族がいる場合も、これ一本で事足ります」(加藤さん)。税込1980円だ。

   「左ききの道具店」オリジナルアイテムもある。左利きにとって「かゆいところに手が届く」工夫が詰め込まれた「左ききの手帳2020」。めくりやすい「右開き」に始まり、日付は全て「右上」配置、さらに見開きの右ページにスケジュールやメモ欄が来るようにレイアウトしている。記入する際に日付や、書き込んでいる内容が手で隠れないのが魅力だ。価格は2800円(同)。筆記中に引っかかりが生じにくい万年筆「Schneider『base』左手用(左利き用)」と併用すれば、より楽しく快適に書き物ができそうだ。