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コロナ禍の年末帰省で感染対策あれこれ PCR検査は?安価なサービスもあるが

   2020年も大詰め。例年であれば帰省ラッシュが話題に上るが、今年は実家に戻らないと決めている人が多いようだ。

   日本マーケティングリサーチ機構が12月24日に公表した、全国10代以上の男女470人を対象とした「年末の帰省」調査によると、帰省を検討している人は29%、検討していない人は71%だ。では帰省する人たちは感染防止にあたって「事前のPCR検査受診」など、対策を講じているのか。

  • コロナ禍での帰省…感染対策どうしてる?
    コロナ禍での帰省…感染対策どうしてる?
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「帰ってきて」家族からの求めで決断

   東京在住の30代女性は、12月29日から1月4日まで、約1年ぶりに長野へ帰る予定がある。家族は帰省に「どちらかというと賛成」で、電車のチケットは1か月前に購入した。地元は感染者が少なく、ここ最近東京での感染者増もあり、「帰るかどうかはぎりぎりまで悩んだ」と、J-CASTトレンドの取材に苦しい胸の内を明かす。

「1人暮らしかつテレワークであること、マスク着用、手洗いなどできる対策を日ごろから徹底していること、電車で(乗り換えなく)1本で帰れることもあり、帰省を決断しました。帰省中はどこかに出かける予定はなく、家で過ごす予定です」

   帰省前にPCR検査を受診しようと思ったか尋ねると、女性は「思わなかった」と答えた。「コロナと思われる症状はなく、接触が少ない生活を送っているなかで、むしろ検査を受ける過程で感染のリスクがあること、保健所がひっ迫していること」を理由に挙げている。

   東京在住の20代女性は、家族から「帰省してほしい」と連絡を受けたため、年明けに東京から埼玉へ、夫と共に帰省する。1年ぶりだが、「帰省してほしいと言われなければ遠慮しました」。感染対策は「これといってしていませんが、電車で帰省するので早い時間に空いてる電車で行く予定」と話す。PCR検査は受けたいと思うが、費用がいくらで、どこで受けられるのか「情報を持っていないため難しかった」という。

「新幹線のデッキ」「自家用車」で感染リスク低減

   関西在住の女性は年明け1月2日から中部地方へ、お盆以来実家で1泊すると話した。シングルマザーのため、小学生の子どもが冬休みの間は一人きりで長く留守番させるのが難しく、頼れる身内も近くにいないことから、実家に帰るそうだ。既に子どもだけ一足先に帰省させている。

「両親は小学生の祖父母としてはかなり若い方で、大きな反対はなかったですが、感染者が少ない地域から多い地域への帰省のため、外出はしない約束です。新幹線を使いますが、1区間の乗車のため、座席に座らずデッキで過ごす予定です」

   PCR検査は地元の感染者が少ないため、「全く検討しなかった」という。

   12月29日から1月1日まで、熊本から福岡へ約半年ぶりに帰省する30代男性は「家族からの反対はないですが、十分に対策を行いながらの帰省をお願いされました」。実家に高齢者はおらず、「帰るね」「了解」と簡単なやり取りで決まったそう。対策は、

「神経質になるほどはしていませんが、手洗いや消毒は事あるごとに行い、なるべく人と接する機会を少なくしていました。帰省の際は自家用車を使います」

という。PCR検査は、「受けに行く人の多くが『感染疑いがある人』なのではと気がかりで、受診する気になれなかった」。

   民間のPCR検査でいえば、例えば、東京・新宿には和光会が監修する「新型コロナPCR検査センター」がある。唾液で検査し、翌日までの通知で、来店検査代が税別2900円だ。「帰省に合わせて検査を受ける人で混み合っている」というニュースもあるが、考え方は人それぞれのようだ。