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「ワクチンもない」「このままじゃ、政治に殺される」 宝島社「コロナ」怒りの広告

   メッセージ性の強い新聞広告を出すことで知られる宝島社が2021年5月11日、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞に「ワクチンもない。クスリもない。タケヤリで戰えというのか。このままじゃ、政治に殺される。」という見開き2ページの全面広告を掲載、話題になっている。

  • 「市民の努力にも限界があります」と宝島社
    「市民の努力にも限界があります」と宝島社
  • 「市民の努力にも限界があります」と宝島社

竹槍訓練の写真

   太平洋戦争末期、幼い女子まで竹槍訓練を強いられた写真を背景に、中央には赤く丸い新型コロナウイルスをデザインしている。「ワクチンもない...」というメインのコピーに続いて、「私たちは騙されている。この一年は、いったい何だったのか。」「今こそ、怒りの声をあげるべきだ。」などと、コロナ禍の国民の憤りを代弁している。

   掲載意図について同社は、「新型コロナウイルスの蔓延からすでに1年以上が経過し、市民の努力にも限界があります。科学的な根拠・対策も明確に示されず、度重なる自粛要請を強いられるばかりの事態に警鐘を鳴らす必要を感じ、今回、企業広告を掲載しました」と説明している。

   この刺激的な広告はさっそくインターネットで反響を呼び、大手メディアでも共同通信、日刊スポーツなどが紹介した。

多数のコロナ関連本も出版

   宝島社はファッション雑誌販売部数トップシェアを持つ出版社。一方で、昨年2月に新型コロナウイルスが日本にも押し寄せてから、即座に『新型コロナと貧困女子』『新型コロナはいつ終わるのか?』『コロナ黙示録』『観光ビジネス大崩壊 インバウンド神話の終わり』などを刊行、最も熱心にコロナ禍に対処している出版社でもある。最近も『新型コロナワクチン 打つ前に知っておきたいこと』『新型コロナウイルスワクチンのすべてがわかる本』などワクチン関連本を精力的に出している。

   今年1月には、「コロナ感染対策」をテーマにした企業広告も掲載している。

   同社は1998年から、商品では伝えきれない"企業として社会に伝えたいメッセージ"を、企業広告を通じて伝えたいということで、企業広告を開始。たびたび話題になっており、これまでに読売広告大賞(グランプリ)、朝日広告賞(グランプリ)、日本新聞協会新聞広告賞、フジサンケイグループ広告大賞、日経広告賞など多数の受賞歴がある。