J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

■エリザベス女王杯「カス丸の競馬GI大予想」
秋華賞馬アカイトリノムスメは勝てるか

   カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。秋のGIシリーズもいよいよたけなわだじぇい。今週は秋の最強牝馬、つまり女王様を決めるエリザベス女王杯(2021年11月14日、阪神競馬場、芝2200メートル)きゃすう。未だ3歳のかわいいギャルから牡馬(男馬)顔負けのつわものオバさままで、多士済々の牝馬が集結したじぇい。過去10年をみると、4歳が4勝と一番多いんだけど、ガジュマル爺の本命◎は秋華賞を勝ったばかりの3歳馬、アカイトリノムスメきゃすう。手ごわいお姉さまたちに勝てるかどうか、分からないじぇい。

秋になって変身したアカイトリノムスメ

   ガジュマル爺 カス丸が言うようにアカイトリノムスメは、秋華賞(阪神2000メートル)で、3歳牝馬3冠の最後の一つを獲得、GIホースの仲間入りを果たしたんじゃ。デビューから2月のクイーンカップ(GIII、東京1600メートル)まで3連勝。桜花賞(GI、阪神1600メートル)4着、オークス(GI、東京2400メートル)2着と、その実力がGI級であることは誰もが認めるところだったんじゃが、同じ金子真人オーナーのソダシ人気の陰に隠れていたわけじゃ。掲示板(5着以内)を外したのは、新馬戦(新潟1600メートル、7着)だけという安定感。この夏を越えて、馬が大人の女性に変身したということじゃな。コースは秋華賞と同じ阪神、3歳牝馬ということで、斤量(負担重量)の54キログラムは前走より1キロ軽いのも有利じゃ。鞍上は、戸崎圭太騎手で万全。体調もよさそうなので、強いお姉さんたちに混ざっても、ここは勝てるじゃろ。

   カス丸 秋華賞と同じコースといっても、200メートル伸びるじぇい。秋華賞のようにうまくいくかどうか、分からないきゃすう。カスヨ姉さんの本命◎は5歳のランブリングアレーだじぇい。なかなかのクセものだけど、勝ちきるところまでいくきゃすう?

   カスヨ いつものようにコースを説明しておくと、秋華賞と似たコースなんだけど、秋華賞よりはスタート地点が200メートル後方になるわけね。春のグランプリ宝塚記念とまったく同じコースなのよ。阪神競馬場の第4コーナー辺りが出発点よ。そして内回りコースを走るので最後の直線は短くて356メートルね。だから最後方から一気に馬群を抜き去るなんてムリだから、先行有利ね。少なくとも中団より前で競馬ができる馬がいいわね。ランブリングアレーは中団待機のレースが多いわね。阪神競馬場も開催が長くなって秋華賞のときから6週目になるのでコース内側が荒れてきているはずね。先週あたりはまだ、内側を通った馬が勝っていたけど、そろそろ内を避けた差し馬が活躍しだす頃合いとみてるわ。となると、ここは末脚鋭いランブリングアレーの出番なのよ。2走前のヴィクトリアマイルではグランアレグリアからは4馬身差だったけど、上がり(最後の600メートルのタイム)33.2秒の末脚を爆発させてGIでも勝ち負けになる実力を示したわ。前走のオールカマーは7着だったけど休み明けプラス体重(プラス8キロ)で余裕残しであったと考えられることから、悲観する内容ではなかったわね。今回はひと叩きした上積みも見込めるし、中山牝馬ステークスでは大外から追い込んで勝ち切っていることから器用さもあり、同じ小回り阪神内回りコースへの対応は十分可能なはずよ。

   カス丸 ふーん、中団からの一気の差し切りがあるっていうわけきゃすう。それで対抗〇がガジュマル爺はウインマリリン、カスヨさんはウインキートス、とウイン軍団の2頭が出てるじぇい。いずれも一発ありそうな馬きゃすう。

   ガジュマル爺 わしは2頭のうち、マリリンのほうが推しじゃな。前走のオールカマー(GII、中山2200メートル)では、GI馬のレイパパレ(4着)を破っての勝利じゃ。昨年もエリザベス女王杯(京都2200メートル)に出たんじゃが、4着じゃった。この馬にとっては、京都のようにだらだらと長い上り坂があるコースよりも中山や阪神のようにゴール直前に急坂があるコースのほうが実績もあるし、合っておるはずじゃ。実際、阪神であった天賞賞・春(GI、3200メートル)も、ワールドプレミアら牡馬に混じって5着と、大健闘したんじゃ。パワーとスタミナがあるんじゃな。今回は牝馬限定じゃから、このメンバーならば、勝つ資格も力も十分にあるというもんじゃ。鞍上の横山武史騎手も菊花賞、天皇賞・秋とGI2連勝と絶好調。先行して抜け出すレースで勝ち負けに絡む一頭のはずじゃ。

   カス丸 ふーん、なかなか強そうだじぇい。ウイン軍団のもう1頭はどんなきゃすう?

   カスヨ ウインマリリンもいいんだけど、この馬は天皇賞・春の後、手術をしたっていうのよね。右前脚の肘の部分に骨と骨との潤滑油の役割をするものが増えて腫れたらしいんだけど、どうもそこが心配なのよ。調教のビデオを見る限りは、あまり影響がないようにみえるんだけど、どこか不安なのね。それに比べると、ウインキートスは万全よ。18戦して掲示板を外したのは今年の日経賞と札幌記念のみという堅実さがウリ。3走前の目黒記念では上がり3ハロン32秒5の豪脚で牡馬相手に2馬身差の快勝だったわ。前走のオールカマーも最終コーナー5番手から上がり最速タイの2着と堅実な末脚を見せているわね。ゴールドシップ産駒らしくスタミナが豊富で先行力と持続力を活かす展開になれば牝馬同士のGIなら勝ち負けまであってもおかしくないはずよ。

   カス丸 こちらも強そうだじぇい。今回はとびぬけた存在がいないから、結構混戦きゃすう。一発狙いの馬たちはどんなのがいるきゃすう?

一発を狙う馬もよりどりみどり

   ガジュマル爺 わしはまずレイパパレじゃな。牝馬クラシックには無縁だったが、今年の大阪杯(GI、阪神2000メートル)では、重馬場とはいえ、3冠牡馬のコントレイル(10月の天皇賞・秋で2着)、短距離王者・グランアレグリア(天皇賞・秋で3着)を尻目に、逃げ切り。この時の上がり(最後の60メートル)タイムの36秒8がこのレースの最速だから、後ろがついてこられるはずがないわい。2走前の宝塚記念(GI、阪神2200メートル)ではクロノジェネシスの3着。前走のオールカマー(GII、中山2200メートル)は1番人気に推されたものの、4着(1着はウインマリリン)と敗れてミソを付けたが、デビューから6連勝で制した大阪杯の強さを見れば、勢いがひと息でも▲単穴より評価は下げられんわい。 次にソフトフルートじゃ。昨年の秋華賞(GI、京都2000メートル)3着馬じゃな。勝ったデアリングタクトとは離されたものの、上がり(最後の600メートル)最速の35秒7の脚はデアリングタクトを上回る。その後のエリザベス女王杯(京都2200メートル)は勝ったラッキーライラックやラブズオンリーユー(3着)などのGI馬を含む重賞勝ち馬には及ばなかったが、6着と善戦。前走の新潟牝馬ステークス(オープン、新潟2200メートル)は後方から35秒0の一気の脚で2着に食い込むなど末脚は確かな馬なんじゃ。人気薄の一発なら、この馬じゃろ。調教師は、クロノジェネシスを管理する斉藤崇史師。若手の有望株、岩田望来騎手とのコンビで初の重賞勝ち、初GI制覇も可能なはずじゃ。 最後にデゼルじゃ。3歳春の遅いデビュー戦(未勝利)とスイートピーステークス(リステッド、東京1800メートル)を連勝。続くオークス(GI、東京2400メートル)でデアリングタクトの2番人気に推されたほどの素質馬じゃ。そのオークスでは11着に大敗を喫したが、今年に入って初音ステークス(3勝クラス、東京1800メートル)、GIIの阪神牝馬ステークス(阪神1600メートル)を連勝。GI、ヴィクトリアマイル(東京1600メートル)では8着。前哨戦の府中牝馬ステークス(GII、東京1800メートル)は5か月の休み明けを2番人気に推されたが、16着とここのところ成績はいまひとつなんじゃが、4歳馬ながらキャリアはまだ9戦(4勝)じゃ。中団から後ろにつけて、差し脚が決まる展開になれば、十分に出番はあるはずじゃ。

   カスヨ わたしは先ずはテルツェットよ。8戦6勝の実力馬だし、近親にはリアルスティール、叔母は先日のブリーダーズカップフィリー&メアターフで優勝したラヴズオンリーユーという超良血馬。初の2200mへの挑戦なんだけど、2000mまではこなしているので距離延長は問題が無さそうね。小回りの函館1800mを上がり最速で差し切って優勝と中距離適性があり、直線勝負になるような展開であれば頭まであるかもしれないわよ。次はクラヴェルね。格上挑戦であったマーメードステークスでは上がり最速で2着。その後中京記念、新潟記念と牡馬相手に33秒台の末脚でともに3着と安定した成績を残しているわ。末脚の魅力はたっぷりよ。ただ、直線が短い阪神内回りコースでは差し遅れる可能性もあるんだけど押さえとく必要があるわね。最後はもう1頭の3歳馬、ステラリアよ。忘れな草賞で阪神内回り経験があって、中団から上がり最速で差し切っている点は評価できるわね。GIではオークス13着、秋華賞6着と勝ち負けまでにはなっていないんだけど、今年の強い3歳世代の一発に期待するところね。

   カス丸 うーむ、これは難しいじぇい。でも、ここは先行できて好位置から末脚も鋭く伸ばせるウインマリリンが本命◎きゃすう。