小泉さんの肉声が
書かれていない

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   小泉首相の下で官邸を切り回した飯島勲秘書官が「小泉官邸秘録」を出版した。いわば小泉劇場の仕掛け人が口を開いたのだから、当然関心は高い。ハンセン病訴訟での控訴断念、田中真紀子外相の更迭、北朝鮮訪問など、実は本当のところは知られていなかった。例えば田中外相更迭でも、解説のテレ朝政治担当記者・三反園訓が「事前にはまったく知らなかった」というくらいなのだから。

   「トップダウンという従来と違うやり方が、実は飯島さんと一体だった。ただ、この本では、小泉さんの肉声が書かれていない」(鳥越俊太郎)
   「人心掌握術ですね。小泉劇場の飯島総監督」(吉永みち子)
   「情報管理と官僚掌握術は凄い」(三反園訓)
と続いたところで、「安倍政権がうまくいってないのは‥‥」となった。

   しかし、トップダウンは危険もはらむ。二度目の訪朝のとき、気に入らない記事を書いた日テレの記者を「同行させない」といったのも、飯島だった。

「車乗ってる人だけが余分に払うなんて」

   道路特定財源の問題も盛り上がった。そもそもは田中角栄が考え出した道路作りの「打ち出の小槌」、暫定のはずが30年以上も続いてきた自民党道路族の聖域だ。それを一般財源にしようという小泉前首相ですら切り込めなかった難題に、安倍首相は手をつけた。が結局、道路は作って余った分を福祉など一般財源に、ということになって、新聞は一斉に「骨抜きだ」と。これをどう見るか。

   ガソリン1リットル130円のうち税金が53.8円という数字はわかりやすい。吉永みち子が「税金分にまで消費税がかかるなんて」とかみつき、「福祉に使うとしたら、車乗ってる人だけが余分に払うのはおかしい」とこれが正論だ。三反園訓の「手をつけただけでも前進」というのも本当だが、田中喜代重は「とりやすいところからとっているだけで、改革とは思えない」。

   つまるところは、作る道路の中身と余った分の使い道。余らせられたら、めでたしだが、今の日本に余る金なんかあるのかね。

   新聞休刊日の翌朝のテレビ番組は、スポーツ新聞しかないからどうしても硬派のネタが薄くなるものだが、今日は「小泉官邸秘録」と「道路特定財源」で救われた。ネタひとつで、こうまで番組のテンションが変わるかというほど盛り上がった。しかし、その「小泉」が出てくるまでの50分間、コメントほぼゼロが続いた。特集やレポートは“力作”なのだが、どうにもノリが悪い。小物ニュースも「ああ、そうかい」という程度で、あらためてニュースの選択は難しい、などと妙な感慨も。

文   ヤンヤン
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