ラスト5分で必ずグッとくる (僕の歩く道)

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    主人公は自閉症の青年テル(草なぎ剛)、他人とうまくコミュニケーションがとれない。難しいテーマだな。

    自閉症を扱ったドラマといえば一昨年の「光とともに」。あれは篠原涼子演じる母親に感情移入していたから子供の成長の一つ一つに涙が出たけど、これはどういうふうに見ていったらいいのか。

    静かなドラマだ。パターン化されたテルの行動が何度も繰り返される。ちょっと退屈といえなくもない。でも見続けていくうちに確信、ラスト5分で絶対グッとくると。

    大好きだった幼なじみの結婚式で、泣いているんだか笑っているんだかわからないテルの「笑顔」、自閉症の息子に背を向けてしまった過去をもつ職場の先輩(小日向文世)の号泣、「出世したかったわけじゃない、ただ負けたと思われるのが嫌だったんだよ」という園長(大杉漣)が、テルのために必死で走る姿、どのシーンも心に強く響いた。

    まわりの人が少しずつ変わっていく。思いがテルに伝わっているのか定かでないけど、何でもない彼の言葉にはっとしたり、テルに向かって話しかけることで自分の中の何かに気がついたり。それも一つのコミュニケーションの形なのかも。

    終盤、テルは自分の意志で、新しいことに挑戦しようとする。同時に描かれる家族の心情が切ない。母の背中、妹の我慢、兄の自己嫌悪、ずっとその繰り返しだったんだろうな。それでも心が通じる瞬間がある。思いは決して一方通行ではない。

    ヤバイ! 次週予告の「おかあさん...」というテルの声聞いただけで、泣きそうだよ。

文   ツキノ・ワグマ
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