「出過ぎた杭になれ」 背筋に電撃が走った

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   出過ぎた杭は誰にも打てない――この言葉を聞いたとき、背筋に電撃が走ったような感覚に襲われた。世間では「出る杭は打たれる」といわれるのに、どういうことなのか。

   “出過ぎた杭になれ"とは、今回の『プロフェッショナル 仕事の流儀』に登場したコンピュータ研究者・石井裕の言葉。理工系最高峰のマサチューセッツ工科大学(MIT)の教授だ。

   石井は「タンジブル」とよばれる次世代のユーザーインターフェイスについて研究している。今のコンピュータのインターフェイスは、マウスやキーボードなどの機器に習熟することを前提にデザインされているが、すべての人にとって優しいわけではない。

   そこで石井は使い方を知らなくても、手でつかんで直感的に操れるコンピュータを考案した。たとえば、ボトルのキャップがコントローラーになり、それをひねるとコンピュータのボリウムになる、という風に。それは今までのコンピュータの概念を打ち破る画期的なものだ。

   何よりも独創性を重んじる石井は、学生にも「誰かが考えたものは、もうゴミ同様だ。誰も考えたことが無いようなものを作れ」と教える。オリジナルでなければ意味がない世界。彼は「私は凡人です。人の何倍も努力して初めて天才達と並ぶことができる」と語る。その結果、コンピュータ界には無くてはならない存在、"出過ぎた杭"としてその名を知られている。石井は自分に続く"杭"を育てているのだ。

   「出る杭は打たれる」という世の中の風潮が大嫌いな私は、石井のような人物がいるのを知って大変感動した。私が今の大学、学部に入ったのも、彼の言う"出過ぎた杭"になろうとして、であったはずだ。

   しかし優れた人間が多くいる中で、人と違うことを行い、評価されるのは容易なことではない。次第に最初の感覚は薄れていってしまったのかもしれない。今回のプロフェッショナルは、忘れかけていた感覚を再び呼び戻してくれた。

    ※NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 「出過ぎた杭は誰にも打てない~コンピューター研究者・石井裕」(2007年2月8日放送)

文   慶応大学1年・がくちゃん
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