「限界を作らない」 その力を偉大と感じた

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   「迷わず走れ、そして飛び込め」。あれこれ考える前に自分の信念に従って行動せよ、ということだろうか。今回の『プロフェッショナル 仕事の流儀』ゲストの専門看護師・北村愛子の言葉だ。

   "専門看護士"とは高度な知識と技能を持つ、看護師のスペシャリスト。北村は、命の危機に瀕する患者を看護する"クリティカルケア看護"を専門とする。職業柄、毎日のように「死」に接しているのだから、人の生死について考える機会も他の人よりもずっと多いはずだ。

   そんな北村にも挫折の経験がある。かつて、ある患者の死を前にして何もできなかったことを悔やみ、看護師を辞めたことがある。看護の限界を感じたのだ。だがその後、友人の死が転機になる。看護に限界はなく、自分が勝手に限界を作っていただけだったのだと気づいたのだという。

   「医療の限界、救えないときもある。でも、その中でできる限りのことをする。それが患者さんの命に対する医療の重要なあり方。そう考えたときに、命は粗末に扱えないもので、厳かなものなんだと改めて気づいた」

   北村は番組中にこう語った。限界を作ると、人はそれを超えられないものとして受け止めてしまう。「プラス思考」とは良く聞く言葉だが、やはり気の持ちようは大切なのだと考えさせられた。

   命に対して常に真摯に取り組む人間。私が番組を通して感じた北村の印象だ。命を扱う仕事とは、言葉を変えればこの世の最も重いものを扱う仕事だ。私がもし命を扱う仕事に就いた場合、きっとそのプレッシャーに耐えられず、壁、つまり限界を作ってしまうに違いない。

   限界を取り払う力。その力を持った北村を、月並みの言葉ではあるが私は偉大と感じずにはいられなかった。

   ※NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 「迷わず走れ、そして飛び込め~専門看護師・北村愛子」(2007年2月22日放送)

文   慶応大学1年・がくちゃん
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