ファザコン男たちに振り回される周りはたまらない(華麗なる一族)

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   ついに、「華麗なる一族」が終わった。万俵鉄平(木村拓哉)と、父、大介(北大路欣也)の確執は、阪神特殊製鋼対阪神銀行の裁判を経て、悲劇のラストへとなだれ込んでゆく。

   鉄平と大介が最後に言葉を交わしたシーン。二人のにらみ合いが、すごかったね。両者とも一歩も引かず、ありったけの愛憎を込めてにらみ合う顔の長い長いアップ。瞬きをしない目の縁が切れてしまいそう。

   会社も失い、大介にも思いが届かないと知った鉄平は、猟銃を持って雪の丹波篠山に入ってゆく。妻、早苗(長谷川京子)に宛てた遺書が届いた頃には、白銀は朱に染まっていた。

   遺書には「……未来を切り開くことができるのは、夢に情熱を注ぐことができる人間の力だと信じている……」。そして書き終えたラストシーンのナレーション。「でも、僕はなぜ明日の太陽を見ないのだろう」

   それはこっちが聞きたい。信じているなら生きて未来を切り開けよ。父に思いが届かなくても、最愛の妻とかわいい息子がいるじゃないの。

   結局、これは親子二代にわたって父親から自立できなかった男の子の物語なのね。大介は偉大な先代、敬介の影におびえ、鉄平はひたすら大介に認められ、愛されたかったってことなのね。

   でも、そのファザコン男たちに振り回される周りは、たまったもんじゃないよね。大介の妻、寧子(原田美枝子)だけでなく、高須相子(鈴木京香)だって幸せにはなれなかったし。まして、夫に死なれた早苗や、父を亡くした太郎の立場はどうしてくれる(怒)!

   こんな親子げんかに明け暮れる経営者を持った会社の従業員は、ホント、いい迷惑。一生懸命働いても、親子の都合で会社がどうなるか分からないんだもんね。

   待てよ、よく考えてみれば、もともと悪いのは祖父さんの敬介なんじゃない? 昔、鉄平と想い合っていた芙佐子(稲森いずみ)も敬介の子だったし。敬介が見境なしの男だったからこうなったのよ(怒、怒、怒)! 

   鉄平に石をぶつけられて死んじゃった鯉の「将軍」が、ロボットでもちょっとかわいそうだった。

文   カモノ・ハシ
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