「みんなモノクロの中で、この人だけがカラー」
2007.03.28 12:40
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日本一の無責任男、植木等が逝った。80歳だった。「クレージー・キャッツ」から始まって流された映像の数々は、まさに日本の戦後を代表するコメディアン。
植木の付き人から芸能界に入った小松政夫が電話で話した。付き人からタレントへの道筋をきちんとつけてくれて、それを車のなかで突然いわれた。「もう車を停めて、泣けて泣けて‥‥ボクには父親ですから」と。
「スーダラ節」のあまりに軽い内容に悩んでいたとき、僧侶である父親から励まされた話は有名だ。無責任どころか、誠実な人柄はだれからも好かれた。最後の映像が昨年暮れの青島幸男氏の葬儀に出た姿。テレビは残酷に写し出す。さすがに往年の面影はなかったが、枯れたら枯れたで不思議な存在感があった。
テリー伊藤が断言した。「日本を変えてます。確実に。世の中がみんなモノクロのなかで、この人だけがカラーだった」「日本中ががんばれの中で、気楽にいこうよと。みんな、肩の荷がおりた」
「ああなりたいけどなれない人たちが、映画を見てすかっとした」と江田けんじ。
テリーはさらに「小学校の男の子が、将来何になりたいときかれて、9割くらいが植木等になりたいといった。こんな人、いまでもいませんよ」
6月に公開される映画「舞妓Haaaan!!!」で最後の姿が見られる。昨年11月に撮影されたものだ。
文
ヤンヤン