2018年 7月 22日 (日)

日曜コラム:盛況の「イタリア映画祭」 ユーモラスな演技に大笑い

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    ヨーロッパ映画と言えば昔はフランスかイタリアだった。ジャン・ギャバン、ジェラール・フィリップ、ラフ・ヴァローネ、シルバーナ・マンガーノ・・・。

わが人生最良の敵

   名前を聞くだけで青春時代がよみがえる。また二大映画祭と言えばフランスのカンヌ映画祭とイタリアのヴェネチア映画祭で、昔の両国の映画の栄光と伝統を伝えている。

   ところが近年「ラン・ローラ・ラン」以来ドイツ映画が世界で注目を浴びている。特に今年のアカデミー外国語映画賞の「善き人のためのソナタ」は絶品だ。最後のセリフでこんなに泣かせる作品は無い。ヨーロッパ映画と言えばドイツ映画の時代になって来ている。

    昔の面影を日本人に取り戻してもらおうと、フランスとイタリアが毎年映画祭を催して未公開作品を紹介している。

   「フランス映画祭」は長い間、6月に横浜で開かれていたが、このところ3月に東京、大阪など5会場で開かれる。今年で15回目を数え、カトリーヌ・ドヌーブなど有名女優を団長としてサイン会やイベントなど結構派手だ。

   そこへ行くとイタリア映画祭は今年で7回目、PRなども少なく地味。ゴールデン・ウィーク開催が恒例になり、今年は4月28日から5月5日まで朝日新聞ほかの主催で、ぴあなどが協力して有楽町のマリオンの中にある朝日ホールで上映された。16本の上映と過去最高の盛り上がりを見せたが、筆者はそのうち7本を見た。昨年は暗い「家の鍵」が目玉だったが、今年の作品は粒揃いだ。

   特に良かったのはカルロ・ヴェルドーネ監督・主演の「わが人生最良の敵」。初夏公開の「イタリア的、恋愛マニュアル」にも主演している、額が後退しちょっぴり太めの身体自体ユーモラスなヴェルドーネの演技に大笑いする。

   母親が勤務先のホテルをクビになったことを逆恨みした息子が支配人の浮気現場を盗撮して復讐する話で、その後の展開が波乱万丈で凄く面白い。こんなことは珍しいのだが、観終わって満員の場内から拍手が起こった。

   ジャンニ・アメリオ監督の「星なき夜に」も面白い。イタリアが輸出した鉄鋼高炉が事故を起こすかもしれないと、その高炉がありそうな工場を探して改良品を実装しようとする真面目な技師ヴィンチェンツォ(セルジョ・カステッリット)が上海、武漢、重慶、包頭と中国の工場を探して求める旅を描いている。中国の貧しい人たちと豊かな人たちとの格差や、通訳を務める訳ありの中国娘リュウ(タイ・リン)も絡むこのロードムービーは後味も良い。中国人のいい加減さとイタリア人の実直さの対称が楽しめる。

   意外なのは、この両方の作品に中国人が買収や合併の話で登場すること。イタリア経済に中国は大きな影響を与えていることが分かる。

   つまらない韓国映画なんか見るのを止めて、少しはイタリア映画を見たらどうかね。ただし上記の「わが人生最良の敵」も「星なき夜に」も日本での配給会社が決まらず、公開は未定だ。

恵介
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