「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」
たかが「アトラクションの映画化」 見るとやっぱり面白い

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   このコラムのために昨夜8時40分から3時間近いこの作品を見た。正確には2時間50分の中身は確かに長い。長ければ良いってモンじゃない。前回までのプロットを頭に入れておかなければ、9人もの海賊の船長が東インド会社のお偉いさんや蛸のお化けみたいな悪い奴らと戦うんだからこんがらがる。だが前2作ほど横道に逸れることなく話は一貫している。

(C)Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
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   昨年、日本での興行成績で唯一100億円を超えた作品が、前作のシリーズ2。全世界的にも1200億円の売り上げを挙げる超ヒット作となった。たかがディズニーランドのアトラクションの映画化が何故これほどまでに、と疑問を抱きながら見るがやはり面白い。鍵を咥えた犬やこましゃくれた猿に「ヨーホー、ヨーホー、海賊はやめられない」と皆で唄う海賊の歌もアトラクションから来ている。しかし何よりも観客を惹きつけるのは、主役のジャック・スパロウに扮するジョニー・デップの魅力に尽きるだろう。大きな目玉をクリクリ動かしながら帆船のマストからマストへと飛び回る。ジャックが一挙に5~6人出て来てどれが本物だ?前作で怪物に呑み込まれた後はどうなっただろうか?

   ジョニー・デップはT・バートン監督とのコンビで「シザーハンズ」「チャーリーとチョコレート工場」など話題作を世に出し続けている。鍛冶屋から剣術の名手になるウィル・ターナー役のオーランド・ブルーム。美男俳優だがいま一つ華が無い。「トロイ」も「キングダム・オブ・ヘブン」も不発だった。イギリスのサッカー少女役「ベッカムに恋して」でハリウッドに渡り花開いたのがキーラ・ナイトレイ。海賊の魂を持つ総督の娘役を楽しそうに演じる。

   注目はアジアの海を支配する新顔の海賊、サオ・フェンのチョウ・ユンファ。香港出身で「リプレイスメント・キラー」以来、ハリウッドスターだ。あのローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズがジャックの父親役で登場し、ギターを奏でるシーンも。監督は引き続きゴア・ヴァービンスキー。三部作総てを手掛けた。「マウス・ハント」でデビューした人で、コメディタッチとスピーディなテンポの演出が三部作を貫く。

   幽霊船F・ダッチマン号のデイヴィ・ジョーンズ(B・ナイ)が、彼の心臓を奪った東インド会社のベケット卿(T・ホランダー)の軍門に下った。世界制覇を目論むベケットはF・ダッチマン号を旗艦にした艦隊で、海賊達をドンドンやっつけてしまう。敗色濃厚の海賊達は世界の海に君臨する「伝説の海賊」9人を集めてベケット卿に反攻しようとする。召集すべき最後の9人目は何とキャプテン・ジャック・スパロウ(デップ)だ。ジャックはエリザベス(ナイトレイ)の策略でクラーケンに呑み込まれ、海底のデイヴィ・ジョーンズのロッカーに閉じ込められている。

   海賊のボロ船と東インド会社の新鋭の艦隊の砲撃から戦端は切って落とされ、互いに船に乗り移っての肉弾戦は相変わらず凄まじい。大渦巻きの奈落の底に引き込まれる帆船。そんな戦闘の最中、ウィルとエリザベスは弾丸をかいくぐり、迫る白刃をかわしつつ、ロマンスを成就させようとする。一方、何も成就しないキャプテン・ジャック・スパロウは・・・。これで完結編と言っているが、最後はどうしても次を匂わせる終り方。発表は無いが、4作目が楽しみだ。

恵介
オススメ度: ★★★★☆
パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド(Pirates of the Caribbean: At World's End)
2007年アメリカ映画・ブエナ・ビスタ配給・2時間50分・2007年5月25日公開
監督:ゴア・ヴァービンスキー
出演:ジョニー・デップ / オーランド・ブルーム / キーラ・ナイトレイ
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