不倫の恋に落ちていく織田裕二が見たかった(冗談じゃない!)

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   さすが芸達者ぞろい、テンポよく見せる。だけど何か物足りない。

   高村圭太(織田裕二)は40歳のシステムエンジニア。20歳年下の絵恋(上野樹里)とめでたく結婚するが、彼女の母親はなんと、かつての恋人・理衣(大竹しのぶ)。その母親がダンナの浮気の腹いせに、家出して新婚家庭に転がり込んで来てしまう。おまけに会社はリストラされるわ、新しい職場であるファミレスの店長・冴子(飯島直子)にはモーレツにしごかれるわ…と、御難続きの主人公。

   昔の恋人と娘の新婚生活、そりゃ気にはなるけど間近では絶対見たくないな。理衣のやることがイマイチわからない。母と娘は永遠のライバルなのか? どこまでも勝手気ままな彼女の行動は、「男女7人秋物語」の桃子を彷彿させる。あの時、同棲している恋人がありながら、元カレ(明石家さんま)の周りをウロチョロする桃子を見て、私が何度コブシに息を吹きかけたことか。当時殴ってやりたいキャラNo.1だった(それだけ大竹さんが上手かったということよ)。

   今回ちっとも腹が立たないのは、べつに私が丸くなったわけではなく、新妻・絵恋に思い入れがないから。だって絵恋、怒って泣いて甘えるだけのまるで子供で、なんの魅力もないんだもん。(アンタはいつもオトコに甘く、オンナに厳しいと言われそうだが)。若けりゃいいのかって。

   ドキッとしたシーンが2つだけある。事故で手を傷めピアニストになる夢を諦めざるをえなかったという理衣の告白に、思わず圭太がその手を握り締めた場面と、浮気した理衣のダンナ(草刈正雄)を、彼女の代わりに圭太が殴ってしまったところ。新婚さんいらっしゃいより、むしろこっちのドロドロが見たかったと思うのは私だけだろうか。不倫の恋に落ちていく織田裕二、想像できないだけにソソられる。

   設定は面白いのだ。だけどそれに寄りかかりすぎ。毎回、秘密がバレそうになってアタフタするけど、どうにか誤魔化しきるというパターン。でもそのハラハラの中にも、シミジミとかホノボノとか、胸の奥に残る何かがなくちゃね。

   第6話でようやくそれが垣間見られた。冴子に仕事の楽しさを教わり、妻の妹たちまでやって来て女だらけになってしまった家庭で、家族と過ごす時間の幸せを初めて知る圭太。そうか、これはプライドの高い頑固な40男がオンナたちに鍛えられ、成長していく物語だったのか。

文   ツキノ・ワグマ
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