「ザ・シューター 極大射程」
2キロ先の標的を撃ち抜く「狙撃の名手」に驚嘆

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   CGで加工された大冒険活劇が流行っているが、久しぶりに殆ど実写のエキサイティングな作品だ。ただ原題に「ザ」が無いのに何故邦題に付けるのか。またサブタイトルに「極大射程」などとまるで香港映画じゃないかと勘違いさせる。原作の日本語翻訳本のタイトルが「極大射程」なのだ。配給のUIPは余程原題に自信が無いのか腰が引けている。いいじゃないの、簡明に狙撃兵(シューター)で。

(C) 2007 by Paramount Pictures. All rights reserved.
(C) 2007 by Paramount Pictures. All rights reserved.

   マーク・ウォールバーグは「ディパーテッド」でアカデミー助演男優賞候補になったように、脇が中心だが存在感のある役者だ。その彼が主演で、引退した海兵隊の狙撃兵ボブ・リー・スワガーを演じる。真相究明に協力するFBI捜査官ニック役は、メキシコ系アメリカ人のマイケル・ペーニャ。「ワールド・トレード・センター」で崩壊現場から脱出する警官役が記憶に新しい。悪役の退役大佐はダニー・グローバー。「リーサル・ウェポン」シリーズのメル・ギブソンの黒人の相棒と言えば誰でも知っている。白人、ヒスパニック、黒人と、人種の異なるアメリカ人観客への気配り、サービス配役だ。黒人は昔からだが、人口増加のヒスパニック系への配慮がこの所なされている。

   発端はアフリカの小国エリトリアでの武装車両への狙撃。ボブは相棒のドニーとともに数百人の敵やヘリコプターを相手に善戦するが、ドニーは射殺される。援護を求めた本部は二人を見殺しにして撤退していた。

   それから3年。心に傷を負って引退したボブの山中の家へ、ジョンソン退役大佐(グローバー)がやってくる。大統領暗殺計画があり、狙撃兵の視点からテロリストの狙撃ポイントを見つけてくれと。大佐が名誉勲章を授与された人物であることと、狙撃の腕を買われた自尊心で引き受けるが、実はこれが罠だった。

   大統領暗殺未遂の汚名の下、逃げ回るボブにヒョンなことから協力することになったドジなFBI捜査官ニック(ペーニャ)と言う組み合わせが面白い。ボブはぼんやり立って張り番をしていたニックから、車と拳銃を奪い逃走したのだ。そんな仕打ちを受けながらも、自分なりに調査したニックはボブが暗殺犯だとは信じられず、真犯人を追求するボブに力を貸す。

   裏の政治的陰謀や策略も一昔前は流行ったが、このところ使われていないネタだ。しかし驚き感嘆するのがボブの射撃の腕前。2キロも離れた標的を風や天候を計算に入れて撃ち抜く。そんなことが実際に可能なんだ。この狙撃の腕を武器に敵をおびき出して、次々と罠にはめる活躍が痛快で楽しい。

   「トレーニング・デイ」でデンゼル・ワシントンにアカデミー主演男優賞をプレゼントした黒人のアントワーン・フークア監督。手際の良いテンポでスリラーサスペンスを仕上げている。スティーヴン・ハンターのベストセラー原作が優れたストーリーテリングで、2時間を越す長尺に飽きもせずワクワクしながら筋を追う。

恵介
オススメ度: ★★★★☆
ザ・シューター 極大射程(SHOOTER)
2007年アメリカ映画・UIP配給・2時間05分・2007年6月1日公開
監督:アントワーン・フークア
出演:マーク・ウォールバーグ / マイケル・ペーニャ / ダニー・グローバー
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