「インビジブル・ウェーブ」
愛人殺害の「罪悪感」に悩む男が旅先で見たものは?

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   最近は渡辺謙を筆頭に真田広之、役所広司、桃井かおりや、新人・菊地凛子などがハリウッドで騒がれ、キムタクですら香港映画に出ている。人気の浅野忠信もいつかハリウッドへと期待していたら、何だまたタイ映画かよ、とガッカリ。しかし映画を見始めるとバカにしたモンじゃない。おまけにカメラマンは東南アジアを舞台に活躍しているクリストファー・ドイルではないか。イギリス映画「上海の伯爵夫人」やハリウッド映画「レディ・イン・ザ・ウォーター」の撮影監督で、キムタクの出演したウォン・カーウァイ監督の「2046」も彼の撮影だ。

(c)2006,INVISIBLE WAVES B.V.
(c)2006,INVISIBLE WAVES B.V.

   香港のレストランのシェフ、キョウジ(浅野)はオーナーのボスの妻セイコと密かに情を通じている。ところがボスはキョウジに彼女を殺せと命じる。命令通り訪ねて来たセイコに得意の料理を食べさせる。その料理には毒が入っている。休暇を与えるというボスの命を受けた謎の僧侶(エリック・ツァン)から必要な物を受け取り、タイのプーケット島へ行く。その船上で赤ん坊を抱いている謎の若い女ノイ(カン・ヘジョン)に出会う。ノイは何の根拠も無くキョウジのことを信用してくれる。彼は二人の面倒を見ることで、愛していたセイコを殺した罪悪感から逃れようとする。しかし運命はそんなに簡単では無い・・・。

   逃亡先のプーケットの小さな暗い部屋でキョウジは落ちこんでいる。そんな中でリザードと呼ばれる日本人(光石)に出会う。カラオケ好きの底抜けに明るいリザードは暗いキョウジと対極にいる。キョウジは、しかしこのリザードを信用できない。裏に何かあると互いに探りあう日々・・・。

   監督のペンエーグ・ラッタナルアーンはNYで美術を学んでタイに帰国した後、広告代理店で数々の国際的な賞を取るCMを制作していた。「地球で最後のふたり」では03年べネチア国際映画祭で浅野に主演男優賞をもたらしている。モデル上がりの韓国のカン・ヘジョンはボーイッシュな短髪に目がクリクリと可愛い。日本でも「トンマッコルへようこそ」や「親切なクムジャさん」でお馴染みの女優だ。謎の僧侶は香港のエリック・ツァン。名作「インファナル・アフェア」でギャングのボスを演じている。リザードの光石研は「パッチギ」など多数の作品に顔を出しているバイプレイヤーだ。なるほど多国籍の役者をハーモニー宜しく演出しているラッタナルアーン監督の手腕を認める。

   キョウジの心境を反映しているのか、不思議なことがたて続けに起こる。洗面台からシャワーのように噴出す水、「助けて!」と書いたカード、突然閉じ込められる船室、セットできない折りたたみ寝台、現実か幻か分からないキョウジ。最後にキョウジが受け入れる世界で解放感を感じるが、それは死の世界なのだろうか、生の世界だろうか?

恵介
オススメ度: ★★☆☆☆
インビジブル・ウェーブ(INVISIBLE WAVES)
2006年タイ・オランダ・香港・韓国映画、1時間55分、2007年5月26日公開
監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン
主演:浅野忠信 / カン・ヘジョン / 光石研
公式サイト:http://www.cinemart.co.jp/iw/
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