マイルス・デイビスは「ミーハー帝王」だった(ETV特集)
2007年06月18日05時27分
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(c)NHK
ジャズの帝王――1940年代から90年代前半まで、半世紀に渡ってジャズの最先端であり続けた男、マイルス・デイビスの愛称だ。しかし、マイルスのジャズは「黒人文化」としてのジャズとはかなり趣が異なる。
マイルスは、ビバップに始まり、ハードバップ、モード、エレクトロニック、フュージョンと、次々にスタイルを変えていった。そして、フランク・シナトラ、ジミ・ヘンドリックス、マイケル・ジャクソンといった時代を象徴するスターたちと、ジャンルを超えて影響しあった。自らのスタイルに彼らの要素を溶解させることで、変化し続けたのだ。
「マイルスは、最後までスターになりたかった永遠のガキ。いわば“ミーハー帝王”だ」
そう語るのは、番組ナビゲーターを務める菊地成孔(なるよし)。サックス奏者であると同時に、気鋭の「マイルス評論家」でもある。マイルス・デイビスの人間像・音楽観を読み解いていく。