365日働く外科医? 信じられない!

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   イタリア・トリノ。大型スクリーンに映し出される手術の映像を食い入るように見つめる100人の医師。卓越した技術を一目見るために集まった。その手術を執刀したのが、今回のプロフェッショナルである外科医・幕内雅敏だ。がん治療の世界的権威として知られている。

   幕内は東京の日本赤十字社医療センターの院長を勤める。御年60。年間に200を超える手術を手がける。休みは、ほぼ無い。正月も回診をする。「365日24時間医師」というのが幕内の流儀だ。

   人間は休みがあるからこそ働けるものだと思っていたため、幕内の言っていることが信じられなかった。年中全力投球していたら、まず精神が持たないはずだ。茂木健一郎もトークの中で、

   「どんな仕事でも、特に厳しい仕事であるほど、使命感だけでは続かないと思うんですよ。脳の仕組みから言うと、嬉しさというか、報酬が無いと続けられないと思うんですけど」

と質問を投げかけた。それに対して幕内は

   「僕ら外科医の喜びは手術をして、直接手を下して、元気になって感謝されるというところではないでしょうか。大変だから喜びも大きい。楽な仕事だったら、そのぶん喜びも少ないですよ」

と応じた。

   患者の回復が医師にとって喜びである、というのは納得できる。しかしそれが年中無休で働けるということに結びつくのだろうか。まだ疑問が残る。しかしその答えとなるものを番組後半で見つけた。

   他の病院で、手術は出来ないと断られ続けた患者が、幕内に助けを求めてきたシーン。幕内は、患部を切除すれば命を長らえることができると判断。患者は目に涙を溜めながら「他に頼るところがないんです」と言葉を詰まらす。

   幕内は、患者にとって最後の砦なのだ。「幕内先生以外に自分を治せる人はいない」。すがる思いで頼ってくる。その患者を無下に断ることなどできるだろうか。そう、誰かに必要とされるからこそ、人は頑張ることができるはずなのだ。

   ※NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 「365日24時間、医者であれ~外科医・幕内雅敏」(2007年7月3日放送)

文   慶応大学・がくちゃん
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