2024年 4月 25日 (木)

太田治子が父・太宰治を語る「明治・大正・昭和のベストセラー」

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   太宰治の娘で作家の太田治子さんが近現代の日本の代表的な小説について語るラジオ番組「明治・大正・昭和のベストセラー」が、NHKラジオ第2で2007年7月7日からの毎週土曜日(21時30分~22時)に放送されている。初回の二葉亭四迷「浮雲」から最終回(9月29日予定)の太宰治「斜陽、人間失格」まで全13回。7月28日の第4回では、森鴎外の「雁」を取り上げる。

「父・太宰治の私たち母娘への遺書だと思って生きてきました」


   講師の太田さんは、太宰治の代表作「斜陽」の主人公・かず子のモデルとなった太田静子さんと太宰の間に生まれた。母の思い出をつづった「心映えの記」で第1回坪田譲治賞を受賞。作家として「母の万年筆」「万里子の色鉛筆」などの著書を世に送り出している。

   今回の「明治・大正・昭和のベストセラー」では、日本を代表する文豪たちの作品に焦点をあて、その作品が生まれた時代背景や当時の人々の生き方を読み解いていく。取り上げるのは、夏目漱石の「吾輩は猫である」や志賀直哉の「暗夜行路」、谷崎潤一郎の「痴人の愛」といった誰でも知っている有名な小説ばかりだ。

   最終回の太宰治の回は、太田さんの母・静子さんの日記をベースに書かれたとされる「斜陽」をクローズアップする。主人公のかず子が愛人の小説家・上原に対して宛てた手紙について、太田さんは「父・太宰治の私たち母娘への遺書だと思って生きてきました」と、太宰の作品に対する熱い思いを番組テキストに記している。

   また遺作となった「人間失格」については、「空腹という感覚がどんなものかわからない」と太宰が書いている部分をあげて、「本当かしらと信じられない思いがします」としている。太田さんによれば、太宰はうなぎが大好きで、静子さんとデートしたときもうなぎ屋に行ったのだそうだ。

   その他のベストセラーについても、作家らしい豊かな感性で登場人物の行動や心理をひも解いていく。自分のお気に入りの作品の回だけでも、ラジオに耳を傾けてみることをおすすめしたい。きっと新たな読み方が見つかるに違いない。


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