「消えた天使」
リチャード・ギアが「性犯罪者」追い詰める

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   この映画の原題は「FLOCK」。「野獣の群れ」を意味する。犯罪者たちをそう呼ぶのだろう。主人公は長年、性犯罪者の管理官をしているエロル・バベッジ(リチャード・ギア)。彼は性犯罪者の殆どが、再び同様の犯罪をおかすと言う信念を持っている。


   日本では人権問題がうるさいので性犯罪の前科者が何処にいるか公開しないが、アメリカでは違うようだ。例えば昨日7月31日に紹介した「リトル・チルドレン」では、性犯罪の前科のある男が出所後、郊外の実家に戻ると警官はチェックに来るし、執拗にその男を糾弾する者の存在もエピソードの一つになっていた。

   この映画のエロルは、18年に亘り犯罪者の管理をして来た。いよいよ公共安全局からの引退を控えて、後任のアリスン・ラウリー(クレア・デインズ)に引継ぎを兼ねたトレーニングを行う。だがエロルは長年の犯罪者たち(FLOCK)の管理で精神的にボロボロになっている。二人の上司はエロルの今までのルール無視の仕事振りを真似しないようにアリスンに注意をする。そのころ引退まで18日となったエロルに一人の少女が行方不明になったという情報がもたらされる。

   エロルは糸口を探すために、ローカル記事にくまなく目を通す。犯人は自分の管理する群れの中にいると信じる。アリスンは彼の規則破りの捜査テクニックを学ぶうちに、日常生活の裏におぞましい世界が存在することを知る。手遅れになる前に、群れの中で性の儀式にかけられる前に、少女を救わなければならない。

   このような儀式は1999年ニコラス・ケイジ主演の「8mm」でも描かれている。いたいけな少女が手足を切断され、死に行く様を8ミリ映画で撮影する。同じような残酷なスナッフ(Snuff)が本作でも行われていた。救出は一刻も争う事態だ。犯人の目星をつけたエロルは、強引にアリスンを引き回す。

   リチャード・ギア演じるエロルの仕事ぶりは、精神に異常をきたしたとしか思えない。何かに執り付かれたようなギアの目が印象に残る。そんな彼からトレーニングを受ける新米管理官役のクレア・デインズ。現代版「ロミオとジュリエット」の主役以外は殆ど脇の女優だが、ギアとがっぷり四つの演技。残念なのは香港から初めてハリウッドに飛んだアンドリュー・ラウ監督。「インファナル・アフェア」のような捜査官の内面に食い込む演出が出来ていない。やはり自分で脚本を書かなければ駄目か。

恵介
オススメ度: ★★☆☆☆
消えた天使(THE FLOCK)
2007年アメリカ映画、ムービーアイ配給、1時間45分、2007年8月4日公開
監督:アンドリュー・ラウ
主演:リチャード・ギア / クレア・デインズ / アヴリル・ラヴィーン
公式サイト:http://www.kieta.jp/
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