2018年 7月 17日 (火)

高野志穂の演技が光った「遠い国から来た男」

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   少し前の話になるが、TBSで7月23日も放送された「遠い国から来た男」はとてもいいドラマだった。

   仲代達矢が演じる主人公は半世紀近く前、婚約者(栗原小巻)を日本に残したまま商社マンとして中南米の国に赴任したが、政治闘争に加担して投獄されてしまった。約10年も監獄生活を送った後、日本国籍も捨てて現地で暮らしていたんだけど、墓参りがしたくて再び日本に戻ってきたという設定だ。そして久しぶりの日本で、かつての同僚(杉浦直樹)と夫婦になった栗原小巻と再会することになる。

   昔は若くて血気盛んだった者たちが、あと生きてもせいぜい10年、20年という年になった。そんな老人たちがこれからどうやって生きていけばいいのか、同じような年代のオレも身につまされるようなドラマだった。

   ドラマを見て感じたのは、老け方にも「いい老け方」と「悪い老け方」があるんだということ。異国で緊張感のある生活を送ってきた仲代達矢は「いい老け方」で、日本でノホホンと暮らしてきた杉浦直樹は「悪い老け方」だな、と。悔しいけれど、オレは杉浦と同じかもしれないなと思ったよ。

   山田太一の脚本がとても良かったし、出演者もすばらしかった。仲代、栗原、杉浦という大ベテランに混じって旅行会社の社員を演じた高野志穂も光っていて、全然見劣りしなかった。きめ細やかな照明や的確なポジショニングのカメラアングルも好感がもてた。

   最近ではなかなか見られない昔ながらの文法だが、ゆっくりじっくりドラマが見たい老人にはありがたい。まだテレビも捨てたもんじゃない。そう思わせてくれる上質のドラマだった。

      老け方にも いろいろあると 教えられ

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