2018年 7月 21日 (土)

「TAXi4」
アクロバティックな「カースタント」に息を呑む

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   フランスのコメディ映画はどうもツボが違うのか笑えないものが多い。だから本国では既に2700万人も見ているという「TAXI」シリーズもいま一つピンと来ない。だが昔のいすゞのジェミニのCMでお馴染みになった数センチ間隔でワルツを踊るドライビングや、スピンターンで車にピッタリ横付け駐車など、アクロバティックなドラテクはフランスの特技だ。それにCGを全く使わないカーチェイス。「RONIN」「トランスポーター」などのド迫力のカースタントはフランスの独占市場だ。

(c) 2007 EUROPACORP - ARP - APIPOULA? PROD - TF1 FILMS PRODUCTION
(c)2007 EUROPACORP - ARP - APIPOULAÏ PROD - TF1 FILMS PRODUCTION

   そんな意味で、寒いギャグは素通りして、車シーンに集中して見始める。主役のタクシーはプジョー406から407に進化し、007ばりに車に多様な仕掛けが込められている。普通の407が、緊急時にはスイッチ一つでリア・スポイラーやフロント・スポイラーが飛び出し、スカートが側面を覆い、タイヤがレース用に履き替わる。アクセルを吹かすと時速300kmを越える。

   のどかな港町マルセイユ。ある日、とんでもない重大な任務がマルセイユ警察に舞い込む。ヨーロッパにその名を轟かせた凶悪犯「ベルギーの怪物」を護送するのだ。無事マルセイユ署までは連行。そこからコンゴに移送され裁判にかけられる予定だ。しかしエミリアン刑事(フレデリック・ディーファンタル)のいつものドジと犯人一味の工作で逃亡されてしまう。更に一味はモナコのベルギー王立銀行を襲う。ヘマを挽回したいエミリアンは、タクシー運転手ダニエル(サミー・ナセリ)の協力を得て猛スピードでモナコへ向かう。

   車の曲技は予想通り満喫できる。しかし署長(B・ファルシー)とエミリアンのボケて面白いだろうと強制するような会話などは可笑しくない。むしろ「スカーフェイス」のアル・パチーノのパロディであろう、ヘロインの山を吸い込んでハイになった凶悪犯が屋敷の吹き抜けロビーのベランダで官憲に立ち向かう姿の方がましだ。撃たれても撃たれても倒れない。こんなシーンが笑える。

   監督のジェラール・クラヴジックは「TAXi」シリーズを最初から撮っている。「グレート・ブルー」でリュック・ベッソンに出会い、ピンチヒッターで「TAXi」を監督してから続いている。しかし何といっても映画製作で院政を敷くのは脚本のベッソンだ。監督よりも力があり、プロデューサーも担当して全般を仕切る。「ニキータ」「レオン」で世界的な名声を得てからは、むしろ製作と脚本を中心に活動している。

恵介
オススメ度: ★★★☆☆
TAXi4
2007年フランス映画、アスミック・エース配給、1時間31分、2007年8月25日公開
監督:ジェラール・クラヴジック
出演:サミー・ナセリ / フレデリック・ディーファンタル / ベルナール・ファルシー
公式サイト:http://taxi4.jp/
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