「雑草」がつかんだ日本一 ラグビー名将・春口廣「不屈の人生」
2007年09月05日18時06分
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(c)NHK
関東学院大学ラグビー部監督・春口廣(58)は同大学を6度、大学日本一に導いた。
今年で監督生活34年になるが、その道のりは苦闘の連続だった。30年前、関東学院のラグビー部に来たとき、グラウンドにはゴールポストすらなく、練習に出てきた部員はわずか8人だった。しかも、体力不足で闘志ゼロの選手達ばかり。
春口はまず、部員が辞めないように練習を控え目にした。コミュニケーションも兼ねて、少ない給料から焼き肉や酒をご馳走した。しかしながら、試合は全敗。100点差で負けるゲームもあった。まるで「スクールウォーズ」の世界だった。
転機となったのは夏合宿だった。春口のユーモアあふれる人柄や熱く語る夢に選手たちは惹かれていき、みんなで一つの目的に向かいはじめた。それから3年後、チームは3部リーグで優勝するに至る。
そんな春口の原動力はコンプレックスなのだという。身長156センチという短身に加えて、スポーツエリートとはいえない経歴。さまざまな逆境を乗り越えてきたその姿は「不屈の名将」と呼ぶにふさわしい。毎週水曜に放送される「知るを楽しむ」で、4回にわたり春口の人生を追う。