「ケチ」は最大の悪口 江戸っ子の「金銭感覚」を探る
2007年09月05日18時37分
0

(c)NHK
「宵越しのカネは持たねぇ」。その日に稼いだ金はその日のうちに使ってしまう、江戸っ子の気前よさをあらわす言葉だ。江戸っ子は金離れが良い。彼らにとって「ケチ」とは最大の悪口だったという。
今回の「知るを楽しむ」では、金は無いと困るけれど金に執着するのはみっともない、という哲学をもつ江戸っ子の生活ぶりに迫っていく。作家の石川英輔が「江戸っ子に学ぶお金とのつきあい方」を語る。毎週木曜の4回シリーズ。
たとえば「三方一両損」という落語に登場するエピソード。大工の吉五郎が落とした小判三両入りの財布を、左官の金太郎が届けるが、双方「そんな金は要らない」と言い張る。三両とは当時の1か月分ほどの給料に相当するのだが、なぜ大工の吉五郎は惜しがらないのか?
江戸の庶民の多くは大工職人が占めていた。古い資料をもとに、彼らの懐具合を探っていくと知られざる生活実態が見えてくる。大工の家族の一日の収支をシミュレーションし、江戸っ子の金銭感覚を探る。