「パーフェクト・ストレンジャー」
アリエネー!と叫びたくなる最後のドンデン返し

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   日本でもアメリカでも出会い系サイトは、最近の男と女が接触する最大のツールらしい。成りすましで近づくことができ、往々にして揉めてトラブルの原因にもなるようだ。この映画はインターネットの出会い系が狂言廻しになっている。

(c)2007 Revolution Studios Distribution Company, LLC. All Rights Reserved.
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   主人公は新聞記者のロウィーナ(ハル・ベリー)。折角追い詰めた記事ネタが政治絡みのプレッシャーで上から中止命令を出され、あっさり新聞社を辞めてしまう。帰宅途中、幼馴染の女友達に出会うが、数日後、その友達はNY郊外で変死体で発見される。彼女は出会い系サイトで知り合ったハリソン(ブルース・ウィリス)のことを話していた。ネット広告代理店の社長で大富豪のハリソンに捨てられた友人は、暴露記事で復讐しようと考えていたのだ。ハリソンが怪しい。ロウィーナはキャサリンと名乗り、派遣社員としてハリソンの会社へ潜入する。友人の天才的ハッカーのマイルズ(リビシ)はインターネットを駆使してロウィーナを支援する。

   疑わしい目くらまし(レッドへリング)が一杯。ハリソンの妻、秘書、産業スパイ・・・、誰が殺人に至るほどの秘密を抱えて「パーフェクト・ストレンジャー」(完全な別人)になっているのか? 好色なハリソン(タフガイより適役のウィリス)とピンクの露出過多のドレスのロウィーナのシーンは一触即発のシズリング(興奮)だが、それ以上の展開にはならない。唯一ハラハラする場面はマイルズの指示でハリソンの部屋に忍び込み、PCをチェックしている時だ。セクシー・スリラーとはいうものの、最後のドンデン返しも「アリエネー!」と叫ぶほどの荒唐無稽さ。ハル・ベリーやブルース・ウィリスなどスターがいなければ、つまらない作品になっただろう。

   監督ジェームズ・フォーリーがデビュー作「俺たちの明日」(84)を撮った後にインタビューをしたことがある。名門USCの映画科を卒業したばかりで意欲満々の青年だった。あれから半世紀、54歳ですっかりベテラン監督の域に達したフォーリーはつまらない脚本でも着実な画面作りをしている。アカデミー賞を取った後、はまり役が無いハル・ベリーはここでも中途半端な役柄。お膳立ては立派でも主人公に中身が伴わない。ブルース・ウィリスは主役でも脇でも頑張っている。ジョヴァンニ・リビシは「ロスト・イン・トランスレーション」で東京のホテルに妻(スカーレット・ヨハンソン)を残して飛び回るカメラマン役が印象に残っているが、ネットオタク役も偏執的な顔つきから雰囲気充分だ。

恵介
オススメ度: ★★★☆☆
パーフェクト・ストレンジャー
2007年アメリカ映画、ブエナビスタ配給、1時間50分、2007年9月29日公開
監督:ジェームズ・フォーリー
出演:ハル・ベリー / ブルース・ウィリス / ジョヴァンニ・リビシ
公式サイト:http://www.movies.co.jp/perfectstranger/
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