「グッド・シェパード」
監督デ・ニーロが「伏魔殿」CIAの歴史を描く

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   ロバート・デ・ニーロは俳優として「レイジング・ブル」でアカデミー主演男優賞、「ゴッドファーザーPART2」で助演賞と輝かしい経歴の持ち主。また監督としても93年に「ブロンクス物語」でバスの運転手と少年の感動的な映画を撮っている。14年ぶりの監督2作目がこの作品「グッド・シェパード」だ。

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   タイトルは旧約聖書の詩篇の「主は我が牧者」や新約聖書の「我は良き牧者」という言葉から。国民を守る牧者(シェパード)としてのCIAの歴史を紐解く物語だ。フィクションの主人公、エドワード・ウィルソン(マット・デイモン)の物語とCIAの歴史的事実との虚実を織り交ぜ、倒叙法(現在から過去に遡る)を用いて展開する。

   第二次対戦前、エドワードは名門イエール大学の学生だった。大学のエリートたちの秘密結社「スカル&ボーンズ」(ブッシュ大統領親子も入会していた)の一員になったエドワードは、FBI捜査官ミュラッハ(A・ボールドウィン)に依頼され、老教授フレデリックス(M・ガンボン)の身辺を探り辞職に追い込む。秘密結社の総会で、サリヴァン将軍(デ・ニーロ)から軍のOSS(戦略事務局)の対外情報活動に誘われ、大戦下のロンドンに赴任することになる。集会後の宴会で酔ったエドワードは、同級生の妹クローバー(アンジェリーナ・ジョリー)と肉体関係を持ち、妊娠した彼女と結婚する羽目になる。出来ちゃった婚のエドワードには、耳の不自由な恋人ローラ(T・ブランチャード)がいたのだが。

   終戦後、本格的な米ソ冷戦時代が始まる。OSSはCIAに組織替えし、結社の先輩アレン(W・ハート)が長官になり冷戦に立ち向かう。ロンドン勤務を終えワシントンDCの本部に戻って来たエドワードは6歳になる息子に初めて会うが、家族関係はぎこちない。

   その後の61年、キューバのカストロ政権転覆を狙った上陸作戦がCIAによって実行されるが、内部の情報漏れにより失敗に終わる。CIAの秘密を洩らしたのは誰か、捜査が進められる。映画では、第三次大戦を引き起こすかも知れないと世界を緊張させた13日事件など、ケネディ大統領とその時代の動きがニュースリールで紹介される。亡命したKGB高官を尋問するCIAの拷問シーンは緊張感が溢れる。

   CIAの歴史を紐解き、内部は互いに信用出来ない伏魔殿、情報漏れの追及などで引っ張る。家族への愛か祖国への忠誠かなど、個人レベルの要素を含んで3時間近い長尺は飽きさせることなく観客の興味を繋ぐ。冷戦真っ只中のカストロとの戦いとケネディ大統領の苦悩など、あの60年代を思い起こし感激して見終えた。

恵介
オススメ度: ★★★☆☆
グッド・シェパード(THE GOOD SHEPHERD)
2006年アメリカ映画、東宝東和配給、2時間47分、2007年10月20日公開
監督・出演:ロバート・デ・ニーロ
出演:マット・デイモン / アンジェリーナ・ジョリー / アレック・ボールドウィン
公式サイト:http://www.goodshepherd.jp/
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