ロバート秋山の「歌声」 長瀬智也より味がある(歌姫)

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   「長瀬くん、ちょっと太ったんじゃない?」という人もいるけど、いいの、いいの。ますます充実してきた、というべきなのよ。

   舞台は高知県の土佐清水、足摺岬近くの町。当然のことながら、長瀬くんはじめ全員が「……ぜよ」とか「……ちや」とか土佐弁だから、まるでみんなが坂本龍馬みたいだ。

   時代は映画全盛の昭和30年代。オリオン座という映画館で、四万十太郎(しまんと・たろう 長瀬智也)は映写技師をしている。じつは太郎は10年前、気を失って川の流木に引っかかっていたところを映画館主(高田純次)の娘、鈴(相武紗季)に見つけられたのだ。特攻服を着ていたのだが、まったく記憶をなくしていた。名前も思い出せないから、とりあえず四万十太郎の名で暮らしている。ウン、いい名前じゃないの。

   町中の人はみんな映画好き。太郎が自転車で新しいフィルムを運んでくると、大人も子どもも後を追いかけてオリオン座まで走る。その楽しそうな表情。テレビもパソコンもなかったこの頃、日本中がこうだったんだろうな。みんな、白黒のスクリーンで活躍する石原裕次郎を、手に汗握りながら見ている。

   しかし、映画の興業を取りしきろうとする山之内一家の親分(古谷一行)に、太郎が知らずに逆らったため、一家を敵にまわしてしまう。ここから、野心満々の若手ヤクザ、クロワッサンの松(佐藤隆太)との戦いが始まるわけね。

   太郎の誕生日ということになっている8月15日、神社の境内で「あしずりのど自慢大会」が開かれることに。一等賞品はオート三輪、みんなの憧れだ。もちろん太郎もほしい。太郎のためにオート三輪を取ってやろうと、一生懸命歌の練習をする鈴がいじらしい。

   だが、クロワッサンの松は歌手志望の手下、芥川(秋山竜次)を使って、出来レースを企む。芥川は「アカシヤの雨がやむとき」を歌うが、これがめっぽううまい。お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次は「特急田中3号」の鉄道オタクの時もよかったが、こういう「キモイ」系の役にピッタリはまる。そのうえ、歌もうまいのね。これに対抗する長瀬くんは、ギターを抱えてプレスリーの「ジェイルハウス・ロック」。TOKIOのボーカルだからうまくて当然だけど、歌そのものは秋山の方が味があったな。

   じつは、この2人の歌を聞きたくて、録画した第2話を3回も見ちゃった。太郎の口癖じゃないけど、「グッとくるぜよ」。でも、なぜ記憶のない太郎がいきなりプレスリーを歌えるのか。この辺にも謎があるらしい。

   それから、びっくりしたのは四万十川にかかる沈下橋。狭くて長い橋を長瀬くんが、現代のシーンは車で、昭和のシーンは自転車で走るのだが、なんと欄干がないのよ! 怖かった!

   ※歌姫(TBS系・金曜22時)

文   カモノ・ハシ
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