「タロットカード殺人事件」
死んだはずの新聞記者が「特ダネ」運んでくる

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   ウッディ・アレンの監督最新作。「マッチポイント」に続いて、NYを離れロンドンが舞台の「タロットカード殺人事件」。ロンドン、殺人事件、主演スカーレット・ヨハンソン、と共通項が多い。原題はジャーナリズムの「SCOOP」だから、邦題とは全く視点が違う。前作では顔を出さなかったウディ・アレンだが、今度はメインの役どころで出演している。

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   アレンの作品は固定ファンはいるものの、興行的には当らないので日本ではなかなか買い手がつかない。NYで1年以上前に見た映画だが、今回は「ブロークバック・マウンテン」などアート系映画の多いワイズ・ポリシーが配給する。

   ロンドンでボードビル魔術を行うスプレンディーニ(アレン)。観客席から舞台に上げた女子大生サンドラ(ヨハンソン)を消すマジックで、クローゼットに入れる。と、そこには死んだ筈の敏腕新聞記者ジョー(I・マクシェーン)がいて、今話題のタロットカード連続殺人魔は貴族のピーター・ライモン(ヒュー・ジャックマン)だ、とサンドラに告げる。ジャーナリスト志望のサンドラはこのネタに飛びつき、嫌がるスプレンディーニを説き伏せピーターを探り始める。

   NYを離れたとはいえ、アレンは出自をはっきりさせている。スプレンディーニの本名はシド・ウォータマンで、サンドラと同じブルックリン出身のユダヤ人。サンドラとは親子と偽りピーターに会う。ユダヤ人としてはイギリス貴族にコンプレックスがあるし、アメリカで身についた習慣から抜け切れず、右側運転で事故を起こす。

   サンドラは、スクープ目当てで簡単に相手と寝てしまう、驚く程の倫理観の無さ。ピーターの前は、映画の巨匠のインタビュー中に酔って、目が覚めたら裸でベッドに寝ていた。取材は相手のアパートでしてはいけない、などとスプレンディーニがアドバイスをする。ヒュー・ジャックマンは当り役「狼男」よりは、イギリス貴族役が余程ハマっている。上品な服を脱ぐと裸は筋肉がしっかり付いている。ヨハンソンの裸は着物を着ているときは伺えないが、かなり肉がついている。小太りでちょっとガッカリもする。

   いつもの通りアレンの饒舌なセリフと、チョコチョコとした身振りが笑える。最後のオチもアッと驚く見事なもの。同じ殺人事件でも前作はシリアスだったのに、幽霊がスクープネタを与えるこの作品は軽くて笑える。このところのアレンの作品ではベストの映画かも知れない。

恵介
オススメ度: ★★★★☆
タロットカード殺人事件(SCOOP)
2006年イギリス・アメリカ映画、ワイズポリシー配給、1時間35分、2007年10月27日公開
監督・脚本・主演:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン / ヒュー・ジャックマン
公式サイト:http://www.wisepolicy.com/scoop/
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