2024年 4月 24日 (水)

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」
小雪の「ストリップ」見られないのが残念!

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   昭和ブームを巻き起こした「ALWAYS 三丁目の夕日」(05)は昭和33年春の、集団就職や東京タワー建設などが時代背景となっていた。それから1年後を描くこの「ALWAYS 続・三丁目の夕日」では、東京オリンピック開催が決まり、新幹線「こだま」やサンフランシスコへ飛ぶJAL1便のDC-6B、高速道路建設前の日本橋などが登場し、時代感覚を盛り上げる。

(C)2007「ALWAYS 続・三丁目の夕日」製作委員会
(C)2007「ALWAYS 続・三丁目の夕日」製作委員会

   主人公は「文学」と呼ばれる茶川竜之介(吉岡秀隆)。茶川と一緒に住む小学生の古行淳之介(須賀健太)の元に、実父で会社社長の川渕(小日向文世)が現れ、子供を返せと迫るストーリーがメインだ。向かいに住む自動車修理工場「鈴木オート」の鈴木則文(堤真一)とその妻トモエ(薬師丸ひろ子)、小学生の息子、一平(小清水一揮)の一家に従業員、六子(堀北真希)が実質的に物語を引っ張る。新たに登場するのが則文の親戚、鈴木大作(平田満)。事業に失敗し、小学生の娘、美加(小池彩夢)を則文一家に預ける。成城のお嬢さん育ちの美加は、他人と入る銭湯や豚肉(牛肉でない)のすき焼きを嫌う。六子が家族と食卓に就くのを「なぜお手伝いさんと一緒に食べるの?」と聞くほどだ。そんな美加が徐々に下町生活に慣れて行く様が心地良い。

   竜之介は淳之介の給食費も払えないほど貧乏。実父の川渕が子供に満足な教育も受けさせられない茶川に子供を返せと迫るのは当然だ。また、竜之介は借金のためストリップの踊り子になったヒロミ(小雪)との恋も叶えたい。そこで一念発起して芥川賞に挑戦する。漫画みたいな(いや原作は西岸良平のコミックだ)浅薄でいい加減、ご都合主義のストーリーだが、いつの間にか淳之介にも則文にも感情移入をして泣かされている。

   筆者は、六子の幼馴染の武雄(浅利陽介)が手を染めるインチキ万年筆商法に引っかかったこともあるし、六子が友人と見る裕次郎の映画「嵐を呼ぶ男」にも夢中になったこともある。そんな自分の青春をダブらせた。則文が戦友会から帰った夜ホタルが飛ぶのは、数年前の高倉健の映画の悪乗りで感心しない。ストリップ劇場が度々出て来るが、ベティと名乗るヒロミは楽屋でも厚いローブを着ている。小雪の裸踊りの見られないのは残念だ。

   古沢(こさわ)良太の脚本も山崎貴の監督もさして優れているとも思えないが、やはり懐かしさと分かっていても古臭い人情話に泣かされる。山崎はこの時代より5年後の生まれだし、古沢に至っては生まれる14年前の話を良く捕らえているものだ。しかし書物の上だけの知識で、皮膚感覚的な実感は無いと思える画面だ。南極に残されて来た「タロとジロ」、TVの「名犬リンチンチン」、林家三平の「ドーモスイマセン」や「メートルが上がっちゃって」など懐かしい言葉がズラリと並ぶ。2時間半に近い長尺もあっと言う間に過ぎてしまうが、もっとインパクトのあった一作目には敵わない。

恵介
★★★☆☆
ALWAYS 続・三丁目の夕日
2007年日本映画、東宝配給、2時間26分、2007年11月3日公開
監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆 / 堤真一 / 薬師丸ひろ子
公式サイト:http://www.always3.jp/
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