末期ガン余命1カ月 35歳女性が魅せた夢と死闘

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   末期ガンの闘病生活を送りながら、念願のコンサートを無事成功させた35歳の女性ジャズシンガーが先週8日亡くなった。

素敵な人生だったなと思う

   この女性ジャズシンガーは昨秋、医師から末期の胃ガンで「余命1カ月」と告知されていた兵庫県姫路市の石野見幸さん。それから1年「生きたあかしを」と、ジャズシンガーとして舞台で歌うことに全力を振り絞り、見事に実現させた。

   『スッキリ』は、「私はやりたいの。できると信じている」という見幸さんの、この1年間の生きざまを追った。

   胃の4分の3を切除した見幸さんは、1日2度の点滴で体力を維持する日々だった。が、闘病生活の中で昨年12月17日にディナーショウの舞台に挑戦し、見事成功させた。

   支えたのはジャズの魅力を教えてくれた父親。「よう頑張った」と褒めてくれたその父親が今年4月脳梗塞で倒れ、「お前は死を怖がるけど、こんなもんじゃい」と言って、亡くなった。

   「頑張って、バンとライブでもしたれや」。父親は生前こう言い残していたが、そんな折、ジャズの殿堂といわれる大阪の「ブルーノート」でのコンサートの話が舞いこんだ。

   長い間の点滴で腕に支障が起き、嫌でも食べないと体力が持たない。しかし食べると内臓に負担がかかり激痛が走る。痛み止めにモルヒネを服用するのだが、もうろうとなって歌詞が覚えられなくなる。

   そんな厳しいジレンマの中でコンサートの準備をし、7月16日のコンサート当日を迎えた。体調はまずまず。1日2回のステージ。あいだに点滴を行い無事成功した。

   夫を亡くし、今度は娘と、今年2度の不幸に見舞われた母親は「よく頑張ってくれました。自慢の娘です」。見幸さんが見せてくれた生きざまへの感謝の気持ちがこめられている。

   加藤浩次は「お医者さんにあと1カ月といわれるとボクなんかそこで萎えちゃう。それから1年間末期ガンになった後の生き方というのを教えてくれました」。テリー伊藤も「素敵な人生だったなと思う」

   最後に勝谷誠彦が締めた。「モルヒネは体に悪いという人もいるが、使い方ですよ。上手に使って質の高い人生を送る。ソクラテスが言った「ただ生きるより、よく生きよ」が好きなんですが、人生は時間の長さではない。質と時間の掛け算ですよ」。

   末期がん患者の告知の是非論が医療現場でまだ続いている。見幸さん自ら、その模範的な答えを示してくれたように思う。

文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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