「ディセンバー・ボーイズ」
彼女の太ももマサグる「ハリー・ポッター」 大人の演技に打たれる

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   美しい入り江でひと夏を過ごした4人の少年たち。その思い出は懐かしくいとおしく甘美な匂いに満ちている。夏休み最後のレイバーデーに連れ立って、山奥の死体の探検に出かける子供たちを描いた「スタンド・バイ・ミー」のテイストだ。

(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.
(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

   仲間の一人ミスティーがナレーションで回顧する。1960年代、オーストラリアのアウトバック(豪州奥地)にあるカトリック教会付属の孤児院。幼い孤児たちは次々と里親に引き取られて行くが、少々トウのたった10代の少年たち4人には声がかからない(ケンネルで子犬が売れるのと似ている)。12月の初め、院長は12月生まれの「ディセンバー・ボーイズ」4人を部屋に呼び、海岸に住む篤志家が海を知らない君たちをひと夏招待してくれることになった、と告げる。大喜びの4人、マップス(ダニエル・ラドクリフ)、スパーク(C・バイアーズ)、ミスティー(L・コーミー)、スピット(J・フレイザー)。招待してくれたのは退役海軍将校のバンディ(J・トンプソン)と、キャプテンと呼ばれる妻だ。しばらくすると近所に住むサーカス勤務の若夫婦が養子を希望していることを知る。少年たちは夫婦に気にいられようと媚を売り、競争しあい、友情にひびが入り始める。最年長のマップスだけはもうじき18歳で、とても資格は無いと最初から諦める。マップスの関心は地元の美少女ルーシー(T・パーマー)にあり、秘かに会い続ける。

   やがて青年期を迎えようとする少年たちの思い出が、観客の心に自分たちの青春を思い出させる秀作だ。しかしオーストラリアのスタッフ・キャストで固めた作品では世界の客を呼べない。そこでハリー・ポッターで知名度の高いD・ラドクリフを起用し、彼を初めて普通の少年役で登場させている。18歳になるラドクリフをこうして見ると、背も高いし声変わりもしているし、完全に大人だ。ルーシーの太ももを上の方へ探り、首筋にキスをして胸を触り、そしてズボンを脱ぐ。そこにはハリー・ポッター少年のイメージは微塵も無い。

   カメラが美しい。夕日が沈む海岸線、シルエットに4人の少年と黒い馬。俯瞰から砂丘を、海岸を、海を、小島をと舐める景色の美しさ。黒い馬は魚をとる。5メートルを超す怪魚が海岸に打ち上げられる。非日常のワイルドライフは子供たちの想像の産物だろうか?40数年経って集まり、死んだマップスの遺灰を揃って海に撒くシーンには泣かされる。美しい、心を打つ少年たちの姿を見た。

恵介
オススメ度: ★★★★☆
「ディセンバー・ボーイズ」(DECEMBER BOYS)
2007年、アメリカ映画、ワーナー・ブラザース配給、1時間45分、12月1日公開
監督:ロッド・ハーディー
出演:ダニエル・ラドクリフ/クリスチャン・バイアーズ/リー・コーミー
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/decemberboys/
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