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防衛省今春作成「収賄防止ビデオ」 守屋への嫌味だった?

   司会のみのが、手にしたビデオテープをクローズアップし、「われわれはこういうのを入手しました」。防衛省が自衛隊員の倫理啓発に制作した商社による過剰接待をシナリオにしたドラマ化したビデオだ。

ふうとうの厚さでどのくらい(の金)か分かる

   防衛省の逮捕された守屋前事務次官の接待ずけが発覚する、半年以上も前の今年2007年3月に制作されたもの。陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地とその周辺で撮影され、実際の自衛隊員も出演し、製作費は250万円。目下、全部隊で上映中という。

   番組は、筋書きはそっくりそのままと言いたくなる自衛官OBが商社の幹部に天下りし、接待役で登場。ヤリ手だが、強引な現役の班長がたかるという設定。

   ビデオのシーンのうち、ゴルフ、わいろの受け渡し、宴席のシーンからとった写真をもとにみのが解説した。ゴルフ好き、宴席も好き、現金はギャラの受け渡しで慣れたものなのだろう、わかりやすく、ビデオより生々しい。

   まず,接待役の商社幹部が、自衛隊員のゴルフクラブを車のトランクに積み込む『ゴルフ接待』。みのが「交差点の角に立ってる姿よく見かけますよ。『課長、バッグお持ちしましょう』とか言ってね」。

   『わいろの受け渡し』では「カッ、こんな見えみえなところで、受け渡しなどしませんよ!ベテランになると、茶ふうとうの厚さ、重さでどのくらい(の金額)か分かると聞いてますがね」。

   最後『宴席』では、「『今日はスッポンの鍋ですよ。お土産付きですよ』とか言って、大事な話が終わり、35分位たったところで『こんばんワ~』といって入ってくる。許せませんよ」。

   それはともかく、あまりにそっくりのシナリオに話題が集中。まず大澤孝征弁護士が「このビデオは受け取る側から作られたが、捜査側からいえばもう一つある。あれが欲しい、これが欲しいという要求型。守屋容疑者は現金を含めひとつ残らず全部やっている」。

   日大教授の高木美也子も「あまりに同じなので...(守屋容疑者の行動を知った)部下が、直接言えないのでビデオでいったような気がする」

   最後にみのが「あるいは、日常茶飯事、こうしたことが横行していて、作るのも簡単にできちゃったのかも」。「そっくりビデオ」のために、ますます防衛省の闇が深まるばかりといったところ。